助太刀タイムズ
人材確保・協力会社探し
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【事例】助太刀社員を活用して建設経験者を採用。インセンティブ制度と通年採用で、土壌汚染対策の人材を確保

建設業界では人材不足が続き、採用媒体に費用をかけても応募が集まらないという企業は少なくありません。特に専門性の高い工事を手がける会社では、自社の人員が不足すると協力会社への依存度が高まり、収益性に影響する場合があります。

関東を中心に、東北や中部まで土壌汚染対策工事を手がけるヤマシタ工業株式会社(以下、ヤマシタ工業)。同社は第54期を迎え、代表を除く社員数は31名。売上の約77%を土壌汚染対策や災害復旧などの環境工事が占めています。

以前は複数の求人媒体を利用しても、ほとんど応募がない状況が続いていました。そこで2023年から助太刀社員を活用し、これまでに約35名の応募を獲得。建設業の経験者を中心に3〜4名を採用し、現在も全員が在籍しています。

成果を社員に還元するインセンティブ制度を主な訴求に据え、年間を通じて採用を続ける。同社の採用への取り組みについて、代表取締役の山下泰央氏に伺いました。

目次
  1. 土壌汚染対策工事を主力に、関東から東北・中部まで対応する
  2. 複数の媒体を試しても応募がなく、協力会社への依存が続いていた
  3. 助太刀社員で約35名の応募。経験者を中心に3〜4名を採用
  4. 教育に時間がかかるからこそ、求人は常に出し続ける
  5. 成果を還元するインセンティブ制度を、求人の軸に据える
  6. 小さな現場を任せ、「自分でやる」経験を重ねてもらう
  7. 「危ない」と言えるか。面接ではコミュニケーション力を重視する
  8. 社長自ら毎朝確認し、4年後の社員50名を目指す
  9. まとめ

土壌汚染対策工事を主力に、関東から東北・中部まで対応する

――まず、ヤマシタ工業様の事業内容について教えてください。

山下氏:

弊社は、平成14年に制定された土壌汚染対策法に基づく土壌汚染対策工事を中心に、災害復旧など環境に関わる工事を手がけています。こうした環境工事が全体の約77%です。

残りの約23%は、太陽光パネルから変電所までの電気設備に関わる工事や、一般的な土木工事です。

――土壌汚染対策工事とは、どのような工事でしょうか。

山下氏:

例えば工場の敷地で、油や化学物質などに汚染された土を掘削し、処理施設へ搬出するような工事です。広い工場では、敷地の西側で弊社が工事をしている間も、東側では工場が稼働しているということも珍しくありません。

――主な施工エリアと、取引先についても教えてください。

山下氏:

基本は関東ですが、東北や静岡・名古屋など中部にも頻繁に行きます。土壌汚染対策は、幅広い建設業の中でもニッチな分野です。お客様は守秘義務の関係で、取引する業者を限定しています。そのため、弊社が各地へ出向いて工事を行っています。

元請けはゼネコンではなく、土壌汚染対策を専門とする会社が中心です。どちらもこの分野のリーディングカンパニーで、継続的に仕事をいただいています。

――創業当初から、環境工事を手がけていたのでしょうか。

山下氏:

いえ。弊社は今年で第54期を迎えますが、土壌汚染対策工事を主力にするようになったのは、土壌汚染対策法が制定されて以降です。もともとは下水や河川など、公共の一般土木が中心でした。

――働き方の面でも、事業の特性が表れているそうですね。

山下氏:

土壌汚染対策の現場は工場の中が多く、工場が休みの日は私たちも立ち入れません。そのため、土曜・祝日は基本的に休みです。

年間休日は120日で、有給休暇の取得率は92%です。有給休暇も含めると、社員は年間130日ほど休んでいる計算になります。

――社員数についても教えてください。

山下氏:

私を除いて31名で、そのうち29名が現場に出ています。内勤は2名だけです。

複数の媒体を試しても応募がなく、協力会社への依存が続いていた

――助太刀社員を利用する前は、どのように採用活動をされていましたか。

山下氏:

無料媒体に始まり、「すぐに人が集まります」と営業を受けた媒体や、スカウト型の転職サービスなど、さまざまな媒体を使いました。ただ、どれもほとんど応募がありませんでした。費用だけかかって、成果が出ない状態です。

私が30代の頃は無料媒体からも応募がありましたが、この20年ほどはほとんど来なくなりました。知人の紹介などで社員が増えることも、ほとんどありませんでした。

――応募が集まらなかった要因は、どこにあったと考えていますか。

山下氏:

以前は今ほど給与水準も高くなく、よくある日給制でした。他社との差別化ができていなかったので、人が集まらないのも当然だと思います。当時は会社の財務状況も厳しく、待遇に費用をかけられなかった事情もあります。

7、8年ほど前に給与体系を見直し、現在の待遇に切り替えました。

――人が集まらないことで、事業にはどのような影響がありましたか。

山下氏:

人が集まらなくても、仕事をこなすには人手が必要です。そのため協力会社に頼らざるを得ず、コストがかさんで財務も悪化するという悪循環でした。

さらに、土壌汚染対策の仕事は守秘義務が強く、もともと協力会社に任せにくい工事です。お客様の工場に立ち入るため、情報管理には細心の注意が必要です。だからこそ、自社で人材を抱えていなければ仕事を受けられないのです。

助太刀社員で約35名の応募。経験者を中心に3〜4名を採用

――助太刀社員を通じた応募・採用の実績を教えてください。

山下氏:

2023年から利用しており、これまでに35名ほどの応募がありました。そのうち採用に至ったのは3〜4名です。入社した方は、全員が今も在籍しています。

――ほかの求人媒体と比べて、違いは感じますか。

山下氏:

ほかの媒体はほとんど応募がなかったので、違いというより「助太刀社員は応募が来る」という感覚です。

建設業に特化した媒体なので、建設業の経験者からの応募が多いと感じています。割合でいえば、経験者と未経験者が9対1くらいです。

土壌汚染対策そのものの経験者はほとんどいませんが、建設現場の雰囲気を知っているため、教えやすい面があります。

――応募数に対して採用数を絞っているのは、選考を厳しくしているからでしょうか。

山下氏:

そういうわけではありません。応募後に連絡が取れなくなったり、面接当日に来なかったりする方もいます。実際に面接まで進む方は限られ、面接でお話ししたうえで不採用にしたのは1、2名だと思います。

――入社後の定着率も高いそうですね。

山下氏:

弊社の離職率は4%です。先日、71歳で定年を迎えた社員はいましたが、それを除けば、一度入社した社員の多くが長く働いてくれています。

教育に時間がかかるからこそ、求人は常に出し続ける

――現場が落ち着いている時期は採用を控える会社もあります。ヤマシタ工業様ではいかがですか。

山下氏:

弊社では、時期によって採用を控えることはしていません。求人は通年で掲載しています。

土壌汚染対策は、建設業の経験者でもほとんどの方が携わったことのない分野です。入社してすぐに即戦力というわけにはいかず、教育の期間が必要になります。だからこそ、仕事が忙しくなってから採用を始めたのでは間に合いません。

――仕事が途切れる時期はないのでしょうか。

山下氏:

数ヶ月先の仕事が見通せない状態であれば、採用を控えるしかないと思います。ただ、弊社の場合は1、2週間空くことはあっても、それ以上仕事が途切れることはありません。そのため、年間を通じて採用を続けています。

成果を還元するインセンティブ制度を、求人の軸に据える

――求人では、自社の強みを絞って打ち出している印象を受けました。どのようにアピールポイントを決めたのでしょうか。

山下氏:

弊社は、成果を社員に還元するインセンティブ制度を取っています。そこを前面に出そうと考えました。

――インセンティブ制度を導入したきっかけを教えてください。

山下氏:

私自身の経験が元になっています。会社員として現場監督をしていた頃、その年度に最も利益を出したのが私でした。ところが、係員の同期と、ボーナスは2万円しか変わらなかったんです。

やったことに対する報酬がなければ、人はやる気になれません。だから「利益を出したらみんなに還元する。だから知恵を絞って頑張ろう」という仕組みにしました。自分が嫌だった経験を、逆手に取った形です。

――スカウトも積極的に送っていますが、文面で意識していることはありますか。

山下氏:

給与の高さと休みの多さは、前面に出してアピールしています。

求人では、最高で年収1,550万円という給与例も示しています。年間休日の多さとあわせて、自社の待遇を具体的に伝えるようにしています。

小さな現場を任せ、「自分でやる」経験を重ねてもらう

――土壌汚染対策が初めての方を現場の戦力にするために、意識していることはありますか。

山下氏:

まずは熟練した社員と組んで現場に入ってもらいます。少し慣れてきた段階で、フォローしながら3日ほどで終わる小規模な現場を、責任を持って任せます。

誰かがやってくれると思うと、なかなか仕事は覚えられません。自分でやらなければいけないとなると、みんな必死になって覚えていきます。小さな現場を数多く経験してもらうことが、成長への近道だと考えています。

「危ない」と言えるか。面接ではコミュニケーション力を重視する

――面接で自社に合うかを見極める際、重視していることを教えてください。

山下氏:

重視しているのは、コミュニケーション能力です。大型重機を使うような建設の仕事には、個人プレーがありません。現場では、5人〜20人前後のチームで動きます。

自分の意見を言えない人は、安全作業にも向きません。危ないときに「危ない」と声を上げられるかどうかを、特に見ています。

――入社後に、コミュニケーション力を伸ばす取り組みはありますか。

山下氏:

友人とは話せても、5人の前では話せないという人は意外と多いものです。そこで、毎月の安全協議会で一人一人に1分間のスピーチをしてもらっています。

テーマは仕事でもプライベートでも構いません。全員の前に立って話す経験を重ねることで、少しずつ人前でも話せるようになっていきます。

社長自ら毎朝確認し、4年後の社員50名を目指す

――助太刀社員の運用は、どのような体制で行っていますか。

山下氏:

私が一人で運用しています。特別な工夫というほどではありませんが、毎朝パソコンでメールを確認したあと、助太刀社員を開くようにしています。

応募の連絡はスマートフォンにも届くので、外出先からでもすぐに返信できます。

――今後の展望を教えてください。

山下氏:

弊社は現在第54期で、第58期(4年後)までに社員数を50名にしたいと考えています。そこが採用における一つの区切りです。

まとめ

ヤマシタ工業は、2023年から助太刀社員を活用し、約35名の応募を獲得。建設業の経験者を中心に3〜4名を採用しました。ほかの媒体ではほとんど応募がなかった状況から、採用につながる母集団を形成できています。

同社の採用を支えているのは、明確な待遇とその伝え方です。成果を社員に還元するインセンティブ制度、高い給与水準、年間休日120日と高い有給休暇取得率を、求人やスカウトで具体的に打ち出しています。

また、土壌汚染対策という専門分野だからこそ、教育の時間を見込んで通年で採用を続けています。入社後は小さな現場を任せ、安全協議会のスピーチで発言力を育てるなど、定着と成長を支える仕組みも整えています。

協力会社に頼りすぎず、自社で人材を抱えて仕事を受けられる体制をつくる。ヤマシタ工業は、社員50名という目標に向けて、採用と育成を積み重ねています。

助太刀タイムズ編集部

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