
1971年の創業以来、内線電気設備工事を中心に確かな技術を提供し続けてきた誠和電工株式会社。事業は堅調な一方で、業界全体の課題である「若手の人材不足」と「採用競争の激化」が、将来への大きな不安要素となっていました。
かつては求人を出せば人が集まった時代もありましたが、近年は条件面で競合に見劣りしたり、応募自体が途絶えるという厳しい局面に立たされていました。そんな中、元請け企業である株式会社弘電社のバックアップを受け、建設業特化型の採用サービス「助太刀社員」を導入。
結果として、20代を含む3名の正社員採用に成功しました。元請けと協力会社がタッグを組んで挑んだ、新しい採用の形とその成功の舞台裏に迫ります。
目次
会社情報
会社名: 誠和電工株式会社
設立: 1971年
エリア: 東京都内、首都圏近郊(大手町、青山、品川等)
従業員数: 約20名
事業内容: 内線電気設備工事を主体とした電気工事全般。オフィスビル、商業施設、プラント、銀行、病院、ホテルなど多岐にわたる現場を施工。
代表取締役 中井 晋 氏 二代目社長として、先代からの技術を継承。小学生の頃から材料の加工など家業を手伝い、現場の叩き上げとして活躍。現在は「社員が無理なく、誇りを持って働ける環境づくり」を経営の柱に据えている。

誠和電工株式会社 代表取締役 中井 晋 氏(写真中央)
株式会社弘電社 上席執行役員 東京支店長 田村 誉嗣 氏(写真右)
株式会社弘電社 執行役員 南関東支店長 仲田 知史(写真左)
「求人を出しても来ない…」10年以上続く採用の苦悩と、変化する求職者ニーズ
── まず、これまでの採用活動で感じていた課題を教えてください。
中井氏: 正直、ここ12〜13年は本当に苦労の連続でした。15年ほど前は求人を出せば沖縄や八重山諸島からも応募がありましたが、ここ10年はパタリと止まりました。
また、以前は「うちが一番条件がいい」と安心していた時期もありましたが、数年前から周りの同業他社も一斉に待遇を上げてきました。気がつけば、私たちの提示条件が相対的に低くなっていて、職業訓練校の会社説明会でも、うちのブースには誰も立ち寄ってくれない。そんな「選ばれない時代」の到来を肌で感じていました。
── これまではどのような媒体を使われていたのですか?
中井氏: 各種採用媒体や職業訓練校へのアプローチなど、あらゆる手を尽くしました。しかし、不特定多数がターゲットの媒体では、電気工事の内容を誤解したまま応募してくるケースも多く、入社しても「思っていたのと違う」と数週間で辞めてしまうミスマッチが起きていました。
「とりあえずやってみよう」元請け・弘電社による異例の協力会社支援
── 今回、元請けである弘電社様が「助太刀社員」の導入費用を支援するという珍しい取り組みをされました。その背景は?

仲田氏: 私たちの本業は施工管理ですが、現場を実際に動かしてくれる協力会社さんのリソース(施工力)がなければ、事業は成り立ちません。協力会社さんの施工力がここ数年で低下しているという危機感がありました。
「自社だけが人材確保できればいい」という時代ではありません。協力会社さんと一緒に成長し、業界全体の基礎体力を上げるために、まずは私たちが投資をして成功事例を作ろうと考えたんです。
── 社内での反発や懸念はありませんでしたか?
田村氏: 「高齢化は待ったなしの危機だ」という共通認識があったので、スムーズでした。私は「とりあえずやってみて、ダメならやめよう」というスタンスなので(笑)。中井社長のような、若手を育てる意欲のある会社さんにぜひ活用してほしいと考えました。
スピードと正直さが命。未経験者や中途採用者が馴染める「空気感」を言語化
── 「助太刀社員」を導入して、どのような変化がありましたか?
中井氏: 体感として「反応の速さ」が全く違いました。一気に10名以上から応募があり、これまでの媒体とは比較にならないスピード感で5〜6名との面接が決まりました。
── 具体的にどのような工夫をして掲載しましたか?
中井氏: 「正直であること」です。現場作業の不安を取り除くため、未経験でも一から教えること、また、実際の仕事内容を明確に書き直しました。
採用活動を行うにあたって、助太刀のメッセージ機能は非常に楽ですね。電話だとお互い気を遣いますが、チャット形式だと「まず見学に来てみる?」といった具合に、スムーズに面接まで持っていけます。求職者はスピードを重視していますから、この機動力は大きな武器になりました。
「仕事以外」の魅力が、若手の心を動かすフックに
── 採用成功(3名入社)の決め手は何だったと思われますか?

中井氏: 福利厚生や「仕事以外の要素」をしっかり見せたことだと思います。週休2日制(土日休み)の徹底や、36協定の厳守はもちろんですが、キャンピングカーの貸出やバーベキュー、プロ野球の観戦チケットなど、今の若い世代が「あ、この会社楽しそうだな」と感じる要素を打ち出しました。
実際に入社が決まった28歳の方も、そうした「会社の雰囲気」や「風通しの良さ」を感じ取ってくれたようです。今の時代、一定水準の給与は前提条件です。その上で「居心地の良さ」をどう伝えるかが重要だと再確認しました。
ベテランの技を次世代へ。教育のあり方を変え、業界の未来を創る
── 今後、採用した社員にどのように活躍してほしいですか?
中井氏: 電気工事の世界は奥が深く、太い幹線を何十本も引くような作業にはベテランの技が不可欠です。だからこそ、私は幹部社員に「『見て覚えろ』は絶対に禁止」と伝えています。自分たちが教わってこなかったから教えられない、ではなく、意識的に教えられる人間になろうと。
弘電社さんのような元請け企業が、私たち協力会社の採用まで親身になってくれる。この期待に応えるためにも、新しく入った仲間が「この会社に入ってよかった」と10年、20年先も思える環境を作っていきます。
── 最後に、同じ課題を持つ経営者へメッセージをお願いします。
中井氏: ホームページのリニューアルや、助太刀のような新しいツールの活用を、面倒くさがらずに「まずはやってみる」ことが大事です。時代は変わっています。建設現場の「怖い、きつい」というイメージを払拭し、未経験者が安心して門を叩ける環境を、私たち自身が作っていかなければならないと思っています。

助太刀タイムズ編集部
助太刀タイムズ編集部
助太刀タイムズ編集部です。 最新のイベントやノウハウだけでなく建設業にかかわる人にとって価値のあるコンテンツをお届けしていきます。
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