絶縁体とは、電気や熱を通しにくい物質のことである。多くは電気を通しにくい物として絶縁体という言葉が使われるが、熱を伝えにくい物質という意味でも絶縁体という言葉があることに留意しなければならない。
電気を通しにくい物体として、木や紙、ゴム・プラスチック・ガラス・空気などが挙げられる。これらを絶縁体として呼ぶことが多い。不導体や不良導体とも。

ゴムはケーブルの被膜、ガラスはグラスファイバーなどとして使われる。変圧器や遮断器などには、気体の絶縁体を使用。
地中埋設工事に用いられるケーブルには、電線を架橋ポリエチレンで覆って絶縁したCVケーブルが現在多く使われている。軽量で敷設工事や保守点検がしやすいため。

熱を伝えにくい絶縁体には、グラスウールやロックウール、発泡プラスチックなどがある。電気に対して絶縁の物体は熱にも絶縁であることが多く、特に真空は熱絶縁体として優れている。
熱絶縁工事とは、ビルや商業施設にある設備機械や配管を対象として、目的に合わせて保温工事や保冷工事などを行うこと。空調や衛生設備などの配管やダクトに断熱材や板金などの外装材を巻き、熱の拡散を防ぐ。熱絶縁施工技能士という、熱絶縁工事を専門とする国家資格がある。