あらわしは、通常なら壁紙や天井板などの仕上げ材によって隠れている柱や梁などの構造体を露出させる仕上げを意味しています。「現し仕上げ」あるいは「躯体現し」などと呼ばれる場合もあります。「表し」あるいは「顕し」と書かれたものも同じ意味です。ヨーロッパでは、ハーフティンバーと呼びます。さまざまな種類が存在します。

「小屋裏現し」は、天井をはらずに小屋裏をみせることです。「根太現し」は、二階根太をみせます。「垂木現し」は、垂木をみせることを意味しています。また、天井だけに限りません。鉄骨の躯体をみせたものもあります。壁を作らずに柱や構造ブレースをみせる手法もあります。構造をみせるため、素朴でかつ豪放な雰囲気になりやすいのが特徴で、民家風の仕上げのときに使われることが多い傾向にあります。隠蔽になる箇所は構造耐力を満たせば良いため、荒木のまま使うのが一般的です。

しかし、あらわしにした場合、化粧梁を使うことになります。かんなで削るなど細かな作業も必要になるので、コストがかさむケースが多くなります。その他、「天井あらわし」は天井が高くなるのが特徴で、開放的な空間に仕上げられるのが魅力です。通常梁などの構造部材は、隠れてしまいます。しかし、天井あらわしの場合は梁をみせられるため、おしゃれなアクセントとして利用可能です。