焼鈍とは金属やガラスなどを適当な温度に熱したのちに、徐々に冷却することです。
ガラスの場合、組織を均一化し内部ひずみを取り除くために行われます。
金属の場合は硬度を下げるために行われます。
焼鈍をする事で組織を均一にする役割があり、処理が不完全だと鋼材の組織や、硬さが不均一になって機械加工に適さなかったり、加工ムラが生じる一因となったりします。
また、加工の際に曲がりや反りが発生したり、焼入れをした場合の硬さにもバラつきが生じたりすることもあります。
簡単にいうと焼鈍とは鋼を柔らかくしてストレスを除去し加工をしやすくするものです。
別名「焼きなまし」や「アーニング」とも呼ばれています。
焼鈍には大きく5つの種類があります。
ひずみ取り焼鈍とは、鍛造、溶接、機械加工、鋳造、冷間加工などで生じる残留応力除去の事です。
中間焼鈍とは、加工過程中に内部のひずみを解消する事です。
拡散焼鈍とは、鋳造時に生じた冷え方の差による元祖成分のかたよりを均一にする事です。
完全焼鈍とは、金属を可能な限り柔らかくすることを目的として行います。完全焼鈍は鍛造加工や切削加工の前に施し、加工性を高める用途で使用されます。
球状化焼鈍とは、筋状になった鋼のなかの炭化物(セメンタイト)を球状化させる焼きなましを指します。高炭素合金鋼や工具鋼などの焼入れ処理の前処理としてや、冷間鍛造の前処理などに利用されます。