構造スリットとは地震時に建物が大きく損壊することを防ぐための重要な役割を担っている「スリット」もしくは「隙間用部品」のことです。
柱と壁の間などにスリット(隙間)を作り柱と壁を独立させ、大きな地震などの揺れにより壁が壊れ、柱が折れることを防ぎます。
このスリットは、地震で揺れた力を逃がし、建物の一部に集中的に負荷がかかることを防ぎます。 スリットがあることで柱・梁・壁というパーツごとに切り離すことができます。 スリット部分には、鉄筋を連続させずにパッキンなど緩衝材を挟みます。
建物の安全性を確保するため、建物自体が重み・地震などに耐えられるか計算した構造図において計画されたスリットを取り付けることが重要です。またスリットは形によって完全もしくは部分スリットに大別され、柱〜壁間を垂直スリット、梁~壁間で水平スリットと呼びます。
地震時における注意ポイントは、スリットを設けると壁は地震動の揺れの影響を受けませんが、梁に浮いた状態もしくは上に乗っかっただけになります。 そのため壁は地震により変形はしませんが柱が変形する可能性があります。 そのため、柱と壁の間には適切なスリットを確保する必要が高いといえます。