エアレーションとは、空気を送り込む・空気にさらすという意味で、主に2つの用途に使われています。まず1つ目は、水を機械的に泡立てたり、かくはんしたりして空気にさらし浄化する用途です。身近では、魚を飼育する水槽に空気を送り込むエアーポンプが挙げられます。
エアーポンプは魚の酸欠を防ぐだけでなく、酸素を好むバクテリアを活性化させて、水質悪化を防ぐという役目もあります。
浄水や汚水処理にもエアレーション技術が活用されています。浄水場ではタンクの中で水と空気を強制的に接触させ、揮発性有害物質や炭酸ガスを除去します。河川の濁った水を浄化する技術も同様です。下水処理場では、タンクの中で汚水とバクテリアを混ぜ、空気を送ってかくはん(曝気:ばっき)し、有機物の分解を促進します。
エアレーションには、芝生の通気というもう1つの意味があります。ゴルフ場、競馬場、サッカーやラグビーの競技場に敷かれた天然芝は、めったに張り替えません。固く踏みしめられた土は水はけが悪くなり、芝生の根に酸素や水が行き渡らなくなります。そのため、バーチドレンというトラクターのような作業機で芝生に無数の穴をあけて通気し、根の発育を助けることが必要です。
自宅の庭の芝生にエアレーションをする場合は、靴に取り付けて歩き回るだけで穴を空けられるエアレーションスパイクや、ハンドルと足掛け部分に体重をかけて穴をあけるローンスパイク・ローンパンチという道具を使用します。