スラグは、高炉で鉱石から金属を採取した際に発生する残りかすのことです。高炉セメントやコンクリート骨材に使用されます。「高炉スラグ」や「高炉鉱滓(こうろこうさい)」といわれることもあります。高炉スラグは長期強度が高く、水密性や化学抵抗性に優れているという特徴を有しています。

アルカリが少量ではありますが存在するので、アルカリシリカ反応も抑制できます。また、「溶融スラグ」は、ガラス質の固形物です。得るために、廃棄物や焼却灰をセ氏1,300℃以上の炉に入れて有機物を燃焼させます。そして、無機物を溶融した後に空気中あるいは水中で冷却して固化することで得られます。土木および建築資材として活用されています。

その他、溶接のスラグは、溶接の際に金属から分離して出るかすのことを指しています。例えば、ケイ素やマンガンの酸化物、SiO2、MnOなどが該当します。溶融金属中の酸素を除外する目的で、ケイ素やマンガンなどが脱酸素剤として溶接棒や溶接ワイヤに入っています。これらは酸素と反応すると酸化物となって、溶融金属の表面に浮き上がります。溶融金属内部にスラグが入ってしまうと、溶接欠陥になってしまうので注意が必要です。