パッチとは直訳で継ぎ布を意味し、建築では補修用の壁紙や腐食した金属の当て板のことをいいます。
壁紙の補修では、パッチ―ワークと呼ばれる手法によって、壁紙の傷や汚れを隠します。補修する際には、同じ柄の壁紙を用意して、対象となる傷や汚れの箇所よりも大きめに仮貼りをします。次に貼り付けた壁紙をカッターで切り取り、下の壁紙を剥がし、重ねた新しい壁紙を改めて壁下地に貼り付けてローラーで圧着します。これにより壁紙の継ぎ目がなじみ、補修が完了します。

近年では、壁紙の補修用として、クロスパッチと呼ばれる補修材が流通しています。またシールをこすって転写させるだけで、クロスにできた押しピンや釘の穴、すきまや破れ、落書きなどの汚れを覆い隠す、転写式補修シールタイプのクロスパッチもあります。

これらの商品は、水性塗料や水性ワックスを使うことができるので、補修後に上から色を塗ることも可能です。

金属の補修では、配管やボイラーなどの金属が、腐食などで穴が開いた場合に、その箇所に同材料の金属を当てて溶接により固定します。この際に用いる金属板をパッチといい、パッチを固定することをパッチ当てといいます。

また手すりや建具などの身近な金属の補修材として、透明シートとグラスファイバーネットを併用したパッチが商品化されています。