長切れ(ながぎれ)とは、鉋(かんな)などの刃物が、切れ味が長く続くことを言います。長切れとなる鉋は良質な刃を持ち、研ぐ回数が少ないことから作業を中断する回数も減り、作業効率が高くなります。一般的に鉋の刃は鉋身(かんなみ)と呼ばれ、軟鉄(なんてつ)と刃の部分に鋼(はがね)を鍛接(たんせつ)して出来ています。表側は軟鉄で頭部側を厚くし、幅を広げて鉋台の溝に据え付けられます。

良い刃とは、切れ、粘り、長切れのバランスが大切です。鉋の刃の斜めの部分をしのぎ面と言います。砥石の作業は、荒砥(あらど)、中砥(なかど)、合わせ砥(あわせど)の3段階に分けられます。荒砥は刃が欠けた場合に粗削りを行う際に用います。普段の鉋の手入れは中砥から始めます。

中砥用の石を水に漬けておき、小さな気泡が出なくなるまで水をしみこませます。鉋の刃のしのぎ面を砥石に当てて、角度を一手にしたまま研いで行きます。押す時には力をいれ、しのぎ面が丸くならない様に引く時には力を抜きます。刃の角度は30度ほどとなります。角度が鋭いほど良く切れますが、同時に脆く(もろく)なります。中砥、合わせ砥でしのぎ面の研ぎが終わったら、裏面も研いで完成となります。良い研ぎで長切れを保つことになります。