スケーリングとは、コンクリート内部にある水分が凍結し、融解を繰り返すことにより、コンクリート表面が剥がれる現象のことです。スケール(scale)とは元来、魚や爬虫類の「うろこ」のことを意味する英語で、コンクリートのはがれる様子がそれに似ていることから出来た言葉です。

水は氷に代わることにより約9%の体積膨張をします。寒冷地においてコンクリートにしみ込んだ水分が凍結することにより空隙を広げ、融解により水の浸食を増加させます。この現象を繰り返すことで次第にコンクリートの劣化が進み、表面にスケーリングが発生します。また、凍結防止抑制剤として塩化ナトリウム(NaCl)を撒くことで、コンクリートが劣化してスケーリングの原因となることがあります。

コンクリートのスケーリング防止のためには、コンクリート製作時の水セメント比を下げ、AE剤によってコンクリート内の気泡の管理を行い、不用意に水を作用させないことが大切となります。それでもスケーリングが生じる場合には、もろくなった部分を削り落とし、浸透強化剤を塗布してセメント系補修材を用いて補修します。また、スケールとはボイラーやヤカンの内部が水の硬質分により付着する湯垢(ゆあか)や、口内の歯石を示すこともあります。