柾目(まさめ)とは、木材の材面が年輪に対して直角に切り出し、木目が縦断面で真っ直ぐ平行に見えることを言います。木材の年輪の中心から切り出すことで柾目となりやすく、端部に切り出すほど木目が曲線となり、板目(いため)と呼ばれます。柾目は均一な見た目から、和室の長押(なげし)や天井板に用いられます。
見た目の美しさから、板目よりも柾目の方が高く取引されます。1本の丸太から板材を切り出し方によって、柾目、板目違いが出てきます。単に丸太をスライスすることを「ダラ挽き」と言い、芯の部分は柾目となりますが、それ以外の板材は板目となり、多くの柾目を取り出すことが出来ません。出来るだけ多くの柾目の板を取り出すためには、年輪と直角に板材を切り出す必要があります。
そのため年輪の中心から放射線状に切り出す挽き方をします。また、表面は平行な木目でも、木口(こぐち)部分が年輪と直角となっていないものを追柾目(おいまさめ)と言います。優秀な大工さんは、丸太の木口から半分は板目、1/4は追柾目、残る1/4を柾目にするなど、木のくせを見て最適な材料の切り出しを行ってきました。なお、「適材適所」とは木材の使い分けが語源となる言葉となります。