鎧戸(よろいど)とは、鎧(よろい)の甲冑(かっちゅう)の様に、羽板(はいた)を斜めに等間隔に取り付けた戸のことです。通風や換気、日射調整などの機能もあり、視線の遮蔽にも効果があります。雨戸(あまど)に用いられることがおおくあり、錣戸 (しころど)やガラリ戸、ルーバードアとも呼びます。室内では通風、換気に有効な特徴があり、トイレや浴室、クローゼットの扉に多く用いられます。
また、平たい羽のみではなく、山形の形状であるものも用いられており、可動式と固定式の2種類が存在します。ドアのみならず、窓の一部として用いられるのも特徴のひとつです。視線を遮ることが可能で、洗面所や浴室で用いられることが多い傾向にあります。洗面所や浴室以外では、クローゼットに用いることで通風も可能です。ドアあるいは窓の一部につけるケースと、全体にわたってつけるケースがあります。場所によって使い分けられることも魅力のひとつです。そのほか、直射日光を避けたり、雨の吹き込みを防ぐ目的で用いられます。洋風建築で、開き窓の外扉に雨戸がわりに用いられるのが「よろい窓」です。
通風のためには、換気量に応じた有効面積が必要となります。通常、風切り音や扉への圧力を抑える為に1.5m/sec〜3.0m/sec程度の風速となる様に大きさを決めます。開口率は室内に設けるときは50〜70%程度ですが、外部に用いる場合は雨返しを設けることにより30%程度となります。
近年では省エネルギーの観点から高層建築物でも自然通風が取り入れられるようになりました。建物の低層と高層部分に適切に鎧戸を配置し、煙突効果の重力換気により送風機を用いず効率的に換気を行えるようになります。防火区画や延焼の恐れのある部分に鎧戸を設ける場合には、火災時に自動的に閉鎖するファイヤーダンパー機能が必要となります。また、ガラス製で可動する羽板がついた窓のことをジャロジーと言います。
【参考動画】
こちらの動画では鎧戸(ルーバー)の作り方について解説されいます。