一般的に緊結とは、緩みやズレなどが生じないように、きつく締めつけたり縛りつけたりすること。建築においては、「緊結」する場面がしばしば見られる。
鉄筋工事においては、鉄筋が交差する部分を結束線で「緊結」する。建築基準法で定めるいわゆる4号建築物は、建物の土台をアンカーボルトで基礎に「緊結」しなければならない。工事現場で使用する足場も、支柱などの交差部をくさびで「緊結」する必要がある。
建築で特に「緊結」が多く使われるのは屋根工事について。屋根瓦を、瓦同士または野地板などに留め付けることを緊結という。
瓦を銅線やステンレス製の結束線・釘・ビスなどで留め付ける。棟補強金物・垂木・ボルト・接着剤などで補強。
近年は大型台風の上陸により、住宅の瓦が脱落するなどの被害が多発している。そのため、新築の住宅に関しては、令和4年1月1日より瓦の留付け方法に関する建築基準法の告示基準が強化された。
これまでは、軒やケラバは端から2枚目まで、棟は1枚おきに瓦を緊結すればよかった。改正後は、すべての瓦を釘やネジなどで留めなければならない。ただし、改定後の基準を講じることが望ましいのであって、古い屋根を新しく葺き替えるよう強制しているわけではない。