「おもや」と読む時の母屋は、ひとつの敷地の中に複数の建物があるケースにおいて、主に住宅として使う建物のこと。離れや物置などがある場合に使われることが多い。
建築基準法では1つの敷地に1つの建物しか建築できないのが原則だが、母屋を主たる建物、離れや倉庫などを用途上不可分の建物と解釈することにより建築が可能。
また、母屋は「もや」とも読む。その場合は屋根の部材の一部を表す意味の言葉となる。屋根の最も高いところにある棟木と平行して配され、軒桁との間で垂木を支える。木造屋根の場合、屋根を垂木で受け、その垂木を母屋で支える。鉄骨造の場合は屋根材の下地が母屋のため、たとえば鋼板屋根の場合は鋼板を母屋に留める。屋根材を母屋に留め、母屋は小梁に固定する。
母屋は屋根自重や積雪・風荷重などに耐えられるよう設計しなければならない。切妻屋根や入母屋屋根の妻側に突出させた母屋を鼻母屋と呼ぶ。部材自体を化粧材としたり、漆喰やモルタルなどで塗り固めるか、破風板で隠したり木口に板金を被せるものもある。部屋の天井の一部が屋根の傾斜によって斜めになっている構造を母屋下がりという。建築の高さが制限されているなどの理由により、そのような形状をしている。