もちろんこれは平均なので、人や会社によっては平均以上または以下というケースもあります。大工としてより高い給与を目指すのであれば、資格やスキルを身につける、または将来的な独立も視野に入れておく必要があるかもしれません。
当記事では25歳~34歳までと比較的若い世代にフォーカスして大工の給与相場と将来に向けてどうやって年収を上げるのかの方法について紹介します。
大工の給与相場
まずは、大工の年代別の平均給与をみてみましょう。
総合求人サイト「求人ボックス」が厚生労働省の行った「賃金構造基本統計調査」をもとにまとめたデータによると、25歳~29歳の大工の平均年収349万円、平均月収26.4万円、平均日給に換算すると1万560円。30歳~34歳の大工の平均年収363万円、平均月収29.3万円、平均日給に換算すると1万1,700円となりました。なお、日給は平均月収に対して25日出勤を前提に算出しています。
これらの金額はあくまで平均なので、同じ25歳~29歳、30歳~34歳でも働いてる会社の規模や経験年数、役職、地域によって差があるかもしれません。
大工としてキャリアを積んで、油が乗ってくる30代40代をどう迎えるかによって、今後の年収や日給も変わってくるでしょう。平均年収を超えるには何かしらのアクションが必要になってきます。そのためにも若いうちから、準備しておくことが大切です。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均日給 | 平均賞与 |
20歳~24歳 | 257万円 | 20.2万円 | 1.056万円 | 14.4万円 |
25歳~29歳 | 349万円 | 26.4万円 | 1.056万円 | 32.4万円 |
30歳~34歳 | 363万円 | 29.3万円 | 1.17万円 | 10.7万円 |
35歳〜39歳 | 422万円 | 33.0万円 | 1.32万円 | 26.0万円 |
40歳~44歳 | 382万円 | 28.6万円 | 1.14万円 | 39.2万円 |
45歳~49歳 | 456万円 | 34.6万円 | 1.38万円 | 41.4万円 |
参考:求人ボックス 給料ナビ「大工の仕事の年収・時給・給料」
参考までに大工の役職別の年収も見てみましょう。もちろん若いうちに昇進することができれば給与のアップにつながります。
役職 | 平均年収 | 平均月給 |
主任 | 391万円 | 24万円 |
係長 | 487万円 | 30万円 |
課長 | 644万円 | 40万円 |
部長 | 711万円 | 44万円 |
参考:平均年収.JP
大工は日給換算がどうして多いの?
一般的な会社員は月給制であるのに対して、大工は正社員であっても出勤した日数分の給与が支給される日給換算の会社が多くあります。
これには大工の仕事内容が関係しています。中でも型枠大工の仕事は天候などに左右されやすく、雨や雪の日は工事ができず、休みになるケースも少なくありません。
梅雨時期などは大雨の日も多く、作業が進まない日も多くなるでしょう。また現場の受注が常に確保できる保証もなく、場合によっては晴れでも仕事がない日もあります。会社も売上が発生していないのに大工に給与を支払うことはできません。
そのため、会社は仕事を行った日数分のみ給与を支給する日給月給制を採用しているところが多いのです。
大工は仕事の特性上、月給制を採用している会社は少ないです。大工などの職人業は経験とキャリアを積んでから独立する人が多いため、日給制に慣れておいたほうが将来的に抵抗が少なくて済むかもしれません。
大工で給与を上げるためには?
では、どのようにして給与を上げていくか、この章では下記の3つを解説します。
技術と経験を積んで昇給する
給与は会社の評価によって決定します。評価基準はスキルや対応できる業務の幅・年齢・勤続年数など会社によってさまざまです。こうしたなかで技術と経験を積み、会社の人事評価で認められれば給与アップが期待できます。
また、資格を獲得することで追加の手当が付いたり、給与が上がることもあるので、需要が高い資格やスキルを習得するのも手段のひとつです。
例えば、神社や仏閣などの修理を専門とする宮大工であれば高い技術とスキルが求められ、需要が非常に多い職種となります。一人前の宮大工になれば給与のアップが期待できます。
しかし、当然のことながら他の大工に比べてより高度な技術が求められ、一人前になるまでに長い期間を要しますが、日本の伝統技術にも寄与できるのでやりがいもあるでしょう。
給与が高い会社に転職する
現状の職場で給与アップが期待できないなら、転職を検討してみても良いかもしれません。
大工は同じ建物の工事を行う会社なら、基本となる仕事内容はどこの会社でも変わりません。同じ仕事でより多くの給与がもらえる会社があるのなら、そちらに転職しようとするのはごく自然な行動ですよね。
給与は、会社によって異なるのはもちろん、エリアが違うだけでも変わってきます。もし遠方や都心への引越しを伴っても構わないのであれば、給与が高い東京などの建設会社への転職を検討してみるのも選択肢のひとつです。
転職先を探す場合は給与だけでなく、各種手当や家賃補助・社会保険など福利厚生にも意識を向けておくようにしてください。
一人親方→法人化して事業を更に拡大
30歳を超えてくると今後のキャリア形成をどうするか、見直す時期になると思います。会社から独立して一人親方や棟梁になれば大幅な日給・収入アップが期待できます。雇われている間は、会社が受注して行った仕事の売上の一部が日給として配分されますが、個人事業主として元請けになる一人親方は、ひとつの案件として大きな収入を得ることができます。
更なる収入アップを目指すなら法人化をして事業を拡大することです。従業員を増やすことで、一人ではできなかった仕事や、受注できる仕事量が増えるので、結果として収入を増やす可能性も広がります。
1000万円以上稼ぐ大工の記事はこちらで詳しく解説しております。
大工の平均年収・給料・ボーナスは?年収1000万円稼ぐ大工の特徴や年収アップの方法を紹介
将来的に独立や法人化を検討されている方は、今のうちにコネクションの構築をしていきましょう。自分のコネクションだけでは限界がありますよね。そこで新たな方法を使ってこれまで出会えなかった取引先を探すのも選択肢の一つです。
また、建設業界で頑張っている大工さんや職人が年収を上げていく方法については以下の記事で解説しております。
建設業の職人が年収を上げるには?転職・独立・副業それぞれのメリット・デメリットや向いている人の特徴とは
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