普請で「ふしん」といいます。普請とは、家を建築したり修理したりすることをいう。「大規模な普請」「納屋を普請する」などと使う。また、道・橋・水路・堤防などの土木工事も普請と呼ぶ。
もともと普請は仏教用語であった。「普(あまね)く」と「請(こ)う」で合わせて「大勢の人に頼む」となり、力を合わせて労働に従事するという意味を持つ。特に禅宗では、仏堂の建造や清掃などといった、寺院での労務をまとめて普請と呼んでいた。転じて、土木工事だけを普請というようになった。その名残もあり、単なる建築だけでなく、公共事業での建築や修理などを特に普請と呼ぶことも。
室町時代や江戸時代には普請奉行(ふしんぶぎょう)という、城壁や堤防などの建築修理を担当した役職があった。普請方(ふしんかた)ともいいます。
安普請(やすぶしん)とは、費用を安くして安い資材を使い、安価の家を建てること。また、そうして建てた家も安普請といいます。
普請道楽(ふしんどうらく)とは、趣味人が財産を建築に費やしたり、次々と住まいなどを建て替えたりすることいいます。
家を新築した際に、身内に不幸が起こることを普請負け(ふしんまけ)や普請祟り(ふしんたたり)などと呼ぶことがあります。昔ながらのお祓いなどをして回避する風習も残っています。