屋切り(矢切)は、外壁と屋根の間にある三角形の空間のことを指しています。切妻屋根(きりづまやね)、入母屋屋根(いりもややね)の妻側の部分です。屋根の真下に位置することで、屋根を支えるという役割を担っています。
屋切りについては桁の上にあるため、雨がかかりにくく、外壁とは仕上げを変更することが多いという特徴があります。外壁とは仕上げを変えられるため、あえてデザインを変更し、おしゃれな印象を造り出せます。加えて、雨がかかりにくいことから換気口を取り付けることが多い傾向にあります。換気口がついているケースでは、屋根の内部にたまってしまう熱気や湿気を逃がす働きもしています。また、以前は屋切りと外壁との境界を直線にすることが少なく、屋根の2分の1勾配程度の山型に仕上げることが多くありました。現在、屋切りと外壁との境には水切り(金物)を入れます。
その他、切妻屋根ではあまり目立つことはありませんが、入母屋屋根のケースにおいては屋切り部分が三角形となるので、よりはっきりとわかります。さらに、入母屋屋根において、屋切りを木連れ格子にしてしまった場合、小平を葺いた部材を奥まで伸ばさないと雨漏りの原因になってしまうので注意が必要です。