静電塗装とは、静電気を利用して塗装する方法である。自動車部品や家電などに加え、建材にも静電塗装が使われることがある。
静電塗装は静電気を帯電させて塗料を霧状にして、静電気の力で被塗物に塗着させる仕組みとなっている。塗料を霧状にする方法は、スプレーガンで噴射するやり方と、帯電した塗料が反発し合う性質を利用した静電霧化方式がある。なお、静電気ではあるが数万ボルトの電圧を使用する。

静電塗装のメリットは、ムラのない均一な塗膜を得られること。対象物の大きさや形状を問わず塗装できるという利点もある。また、静電塗装では他の方式よりも塗料の変更が容易。

さらに、静電塗装は塗着効率が良いため、塗料のロスが少ない。コスト削減や作業時間の短縮にもつながる。
ただし、静電塗装は電気を通す材料に限られるというデメリットがある。また、静電塗装は2度塗りができなかったりするなど、熟練の技術を要する。塗装品質を保つために、確実なアース取りや入念な清掃などが必要。
電気を使う塗装には、静電塗装の他に電着塗装がある。静電塗装は霧状の塗料を吹き付けるが、電着塗装は塗料が入ったプールに塗装する対象物を浸して塗装する。また、静電塗装では数万ボルトの電圧を使用するが、電着塗装は300ボルト弱程度である。