大壁とは、施工後に柱や梁が隠れて表面に現れない室内の印象としてはシンプルでフラットな壁のことを指し、パネル構造や軽量鉄骨組構造、2×4工法による壁も大壁が用いられています。

大壁は、壁厚を大きくとれ、壁の内側に柱や梁、筋交いなどの構造物、断熱材、配管設備などの挿入やすさが特徴となり、大半の施工がパネルや石膏ボード、下地合板をベースにした乾式工法となることからも、工期を短縮できコスト低減に繋がります。但し、施工時の断熱材不均等や壁内側の結露に注意しなければならない欠点を持っています。

一方で、真壁(しんかべ)と呼ばれる壁の形式があり、柱や梁などの建物の構造、軸組が表面に露出するもので、鴨居や敷居も露出することが特徴です。真壁は、和室や数寄屋造り、書院造りなどの伝統工法が用いられた建物、または伝統家屋で用いられています。

建設省告示により、大壁造と真壁造の各々について面材耐力壁の種類とその仕様が示されており、何れも面材から軸組への応力の伝達が確保されることが必要で、大壁造については、胴差し、梁、桁、土台等の横架材に留め付けなけばならず、真壁造の受材タイプについては、軸組全体に隙間なく設ける必要があり、また貫タイプについては、最上段および最下段の貫と各々の直上直下の横架材との間隔を概ね30cm以下、その他の貫は61cm以下の間隔で均等に配置する必要があります。