びしゃんは、石材やコンクリートの表面を加工する際に用いられる鉄槌のことを指しています。英語名のブッシュ・ハンマーが名前の由来だとされています。形は、ほぼ正方形です。槌の面に四角のスパイク状の突起が格子状に並んでいるのが特徴です。1列に並んだ突起の数により、呼び方が変わります。5×5の25目は「5枚びしゃん」、10×10の100目は「10枚びしゃん」といいます。

さらに、刃のように細かい面に突起が1列に並んでいるのは、「刃びしゃん」です。電動のものもありますが、基本的な使い方は同じです。石材の表面を叩いて石材を削っていきます。また、同じ面積だとすると、叩く回数が少なければ表面は荒削りになりますが、叩く回数を増やすとなめらかな仕上がりとなります。仕上げの工程が進むにしたがって目の数が多いびしゃんに変更していくのが特徴です。

そのほか、びしゃんを使用して仕上げる加工方法のことは、「びしゃん叩き仕上げ」といいます。小叩き仕上げともいい、和を感じさせる仕上げ方です。魅力ある出来栄えになりますが、本来手作業であるため職人の力に左右されることがあります。加えて、手間が大きくかかるので、単価自体が高いこともあります。