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一人親方はなぜ定期健康診断を受けるべき?受診項目と考え方を医師が詳しく解説

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一人親方の皆さんの場合は、自分自身の健康を損なうと仕事ができなくなり、収入が減少することにも直結するおそれがあります。
しかし、一人親方の方は、会社員のように健康診断を法律で受けるように定められていない場合も多いので、自分で定期的に健康診断を受けなければなりません。

そこで今回は、一人親方の皆さんに定期健康診断をお勧めする理由や、受けられる健康診断の種類について解説していきます。

なぜ一人親方に健康診断を勧めるのか?

ここでは、一人親方の皆さんが健康診断を受けるべき理由について述べていきます。

一人親方の健康管理は自己責任となることが多い

まず、一人親方の皆さんに健康診断を受けるべき理由で一番大きなものは、その体調管理は自己責任となることが多いからです。

会社員の場合は、会社が定期的に健康診断を受けるように促してくれます。

それは、労働衛生安全規則という法令の第四十四条で、事業者は労働者に対し、一年以内ごとに一回、決められた項目の検査を受けなければならないとされているからです。*1

どこかの会社に勤めているわけではない場合は、自分でどういった健康診断を受けるか、また、そのタイミングも自分で決めなければいけません。

健康診断を受けることのメリットとして、以下のようなものがあります。*2

引用)*2 「健診」の基礎知識 | SLPとは | スマート・ライフ・プロジェクト

健康診断を受けることでご自身の健康状態を把握でき、体調管理をする上でも役立つでしょう。

そして、定期的に健康診断を受けることで、何らかの異常があれば早期に発見し、場合によっては治療につなげていくということができる可能性も高くなります。

健康診断を受けることは、健康管理が自己責任となる一人親方の皆さんにとって大切なことといえます。

健康診断を受けることで健康意識が高まる

健康診断を受け、その結果を見ていくことは、自分の体調管理をするいいきっかけになることもあると考えられます。

例えば、体重計をお持ちでなかった一人親方の方が、健康診断を受けたとき、思っていた以上に体重が増えていた、ということもあるでしょう。

そのような場合は、どんどん太っていくことを防ぐために、体重計を購入したり、毎日体重を測ったり、というふうな行動の変化につながる可能性もあります。

一人親方の皆さんは、自分自身の体調が仕事の成果に直結すると考えられます。

健康診断を受け、異常があれば早めに対応し、体調を万全にしておくことは、仕事のパフォーマンスを上げていく上でも大切なことだと言えるでしょう。

生活習慣病の中には初期症状が全くないものも多い

一人親方の皆さんの中には、現時点で特に症状もないし、わざわざ時間を割いて健康診断を受けることに必要性を感じていない方もいるのではないでしょうか。

しかしながら、健康診断を受けることによってしか、異常だとわからないものもあります。

先に述べた「健康診断のメリット」でも触れられていますが、生活習慣病といわれる糖尿病や高血圧症、脂質異常症は、最初は症状がないものが多くあります。

一方で、最初は無症状とはいえ、こうした異常が徐々に進行し、心筋梗塞、脳卒中などの重大な病気につながり、生活の質を低下させてしまうことにつながります。*3

特に、高血圧はサイレントキラー(静かなる殺人者)と言われています。

ほとんどの人で自覚症状がないにも関わらず、脳や心臓の血管が動脈硬化を起こし、腎臓の働きが悪くなるということにも繋がるため、あなどってはいけない病気です。*4

セルフメディケーション節税によって所得控除が受けられるようになる

2017年より、医療費控除の特例であるセルフメディケーション税制が始まりました。*5

これは、対象となる医薬品の購入費用の一部が所得から控除される制度です。

一人親方にとって大きなメリットがあります。

セルフメディケーション税制の適用を受けるためには、健康の維持増進のための取り組みをしていることが条件となり、健康診断はその取り組みの一つと見なされるからです。

健康診断を受けることでセルフメディケーション税制の適用を受けられる利点があるので、節税といった観点からも、健康診断を受けるメリットがあると言えるでしょう。

一人親方が受けられる健康診断にはどんなものがある?

それでは、一人親方の方が受けられる健康診断にはどのようなものがあるのかを解説していきます。

加入している健康保険によって受けられる健康診断が異なる

一般論として、加入している健康保険によって、受けられる健康診断の種類は異なります。

一人親方の方で、仕事内容や働く時間などを自由に決められる裁量権が大きい方の場合は事業主に近い働き方になるので、市町村の国保組合などに加入している場合が多いでしょう。

それに対して、一人親方であっても株式会社など法人に勤めている方は、会社で健康診断を受けることができます。

以下では、会社づとめという形ではなく、個人事業主として働いている一人親方の皆さんの場合に、どのような健康診断を受けられるかを紹介します。

人間ドック

一人親方の皆さんが受けられ、そして最もいろいろな項目を検査できる健康診断は、いろいろな病院や健診センターで行われている人間ドックです。

人間ドックでは、脳ドックや心臓ドックなどの特定の部位を詳しく調べる検査や、ホテルなどで1泊して2日間に分けて行う検査など、独自のサービスが病院や健診センターごとに提供されています。

さらに、ホテルのランチなどの特典などがついてくる人間ドックもあります。

血圧や基本的な採血項目以外にも、がんについての血液検査やエコー検査、MRIといったかなり詳しい検査をすることも可能です。

しかし、費用が自己負担になるため、病院によってはかなり高額になることも珍しくありません。

一般的には1万円前後から数万円ほどになり、基本的には全額個人負担になると考えておくとよいでしょう。

加入している健康保険組合の健康診断

事業主である一人親方の皆さんの場合は、国民健康保険に加入していることが多いと考えられます。

そして、業種ごとにも健康保険組合が設置されている場合があります。

例えば、建築業に従事している方が加入できるものとして、建設連合国民健康保険組合などがあります。*6
こうした健康保険組合に加入していると、健康診断を受けることができます。

例えば、建設連合国民健康保険組合に加入していると、40歳から74歳の方はメタボ健診を受けるといったことがあります。*7
他にも、加入している健康保険組合ごとに、健康診断の制度を設けている場合がありますので、指定の医療機関で健康診断を受けられることでしょう。

地方自治体の健康診断

その他に、一人親方の皆さんが受けられる健康診断としては、地方自治体が行っているものがあります。

住所地の市区町村が行っているものが多く、健康診断のお知らせが自宅に送られてきたこともあるのではないでしょうか。
地方自治体が行う健康診断では、項目として、歯周疾患検診・骨粗鬆症検診・肝炎ウイルス検診などがあります。*8

また、胃がん検診、子宮頸がん検診、肺がん検診、乳がん検診、大腸がん検診も受けられます。
項目はシンプルなもので、費用は自治体によってそれぞれですが、年齢によっては無料で受けられる場合もあります。

受けたほうが良い健康診断項目は?

一人親方の皆さんに受けていただいたほうが良い健康診断の項目について説明します。
例えば、会社勤めの方の場合は労働安全衛生法に基づき、以下のような項目を最低1年に1度検査していきます。*9

引用)*9 労働安全衛生法に基づく定期健康診断 p1

一人親方の皆さんも、可能であればこれらの健診項目を受けておくと良いでしょう。

まとめ

今回は、一人親方の皆さんに健康診断を勧める理由と、実際にはどのような健康診断が受けられるのかということについてご紹介しました。

一人親方の皆さんの場合は、健康診断を受けることで仕事のパフォーマンス、ひいては収入に直結することも少なくないと思われます。

ぜひ健康診断を受け、体調管理をしっかりと行っていきましょう。

【筆者】
・名前(ペンネーム可)nishicherry2480
・プロフィール:行政機関である保健センターで、感染症対策等主査として勤務した経験があり新型コロナウイルス感染症にも対応した。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

【参考文献】
*1 労働安全衛生規則 | e-Gov法令検索 第四十四条
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347M50002000032
*2 「健診」の基礎知識 | SLPとは | スマート・ライフ・プロジェクト
https://www.smartlife.mhlw.go.jp/about/3action/public/examination
*3 生活習慣病とは p1
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/09/dl/s0915-8c04.pdf
*4 一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 p5-6
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019_gen.pdf
*5 知ってトクする セルフメディケーション税制
https://www.jfsmi.jp/lp/tax/#:~:text
*6 国保組合のご紹介-プロフィール|建設連合国民健康組合
https://www.kr-kokuho.or.jp/about/
*7 健康づくりの取組み-無料メタボ予防健診(特定健診等)|建設連合国民健康組合
https://www.kr-kokuho.or.jp/health/checkup.html
*8 日本の健診(検診)制度の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000511508.pdf
*9 労働安全衛生法に基づく定期健康診断 p1
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000136750.pdf

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