TOP おしごと 建設業界を「悪いたとえ」に使いすぎ。私が見たのは3Kではなく敏腕職人集団だった

建設業界を「悪いたとえ」に使いすぎ。私が見たのは3Kではなく敏腕職人集団だった

2022年8月3日更新

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「こんな労働環境じゃ、まるで建設業界だよ」
「ウチはブラックだけど、3Kの建設業よりマシ」

こんなふうに建設業界を悪いたとえに使われると、つい反論したくなります。

なぜなら、一緒に働いた建設業界の人たちは“本当にすごい人”ばかりだったからです。目にしたのは、敏腕職人集団の姿でした。

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3Kを3Kでない状態に変えて実現するプロフェッショナル

筆者は、急な人手不足のサポートで現場監督補助として建築現場に通っていた時期があります。

最初に結論からいってしまえば、現場を通して筆者が感じたのは、「3K(きつい・汚い・危険)とひとくくりにすることへの疑問」でした。

「建設業界で働く人たちは、3Kを、3Kでない状態に変えて実現するプロフェッショナル」であって、“3Kを押しつけられている人たち”ではない。そう強く思ったのです。

たしかに、エアコンの効いた室内でのオフィスワークと比較すると、きついし汚いし危険かもしれません。

しかし、現場の方々が、
「いかに危険を少なく、安全に仕事を完遂するか」
「現場をクリーンに保つか」
「ムダな労力を減らし効率的に仕事を進めるか」
——こういったことにどれだけ心を砕いているのか、この目で見てきました。

リスペクトを込めての「3K」ならまだしも、安易に悪いたとえに持ち出すのは、失礼なことだと思います。

敏腕職人集団のすごいポイント

冒頭で、建設業界の人たちは本当にすごい人ばかりだった、と書きました。

具体的に何をすごいと感じたのか、3つのポイントに絞ってご紹介したいと思います。

強さとセンス

1つめは「強さとセンス」です。

現場で働く方々は、肉体的にも精神的にも、強靱です。

普通の人なら、きつい・汚い・危険となる仕事を、安全に・効率的に・クリーンに完遂させるには、相当な力量が必要です。

技術力・筋力・持久力といった強さはもちろん、精神力の高さにもプロ意識を感じました。

とくに私が身近で接した職人さんたちは、「ものづくり」の誇りを持っている方が多いのが印象的でした。

美しい足場の組み方、1ミリ単位の精度でピッタリと合わせられたボード、左官仕上げのアートな壁——。

頭を使わない単純作業なんてどこにもなく、熟練の確かな腕とセンスによって、プロの仕事が繰り広げられていることを知りました。

優しさ

2つめは「優しさ」です。

筆者は右も左もわからない状況で急きょ現場に入ったので、最初は心細い気持ちでいっぱいでした。

そんな様子に気づき、休憩中などに声をかけてくれたのが、職人さんたちです。お話させていただくと、心根の優しさに救われることが何度もありました。

もちろん、現場は甘いものではありません。怒声が飛んだり、現場監督が叱責されたりすることは日常茶飯事です。

ですが、その裏には「3Kを3Kでなくするために必要な道理」があり、道理を理解しない人間が、表面だけ見てものを言うのは違う、ということを教えてもらいました。

建設業界のアットホームさを経験した後、次の業界に行ったときには、なんだか冷たく感じたことを覚えています。

意思決定のスピードと精度

3つめは「意思決定のスピードと精度」です。

ビジネスでは“意思決定のスピードを上げることが重要”といわれます。

「欧米企業は早いのに、日本企業は遅い」と、海外の大企業のテクニックを輸入して真似したりしますが、筆者の脳裏に浮かぶのは、職人さんたちの姿です。

判断の遅れや誤りが命にかかわる緊張感で鍛え上げられた意思決定のスピードは、早い次元を超えていて、一瞬でした。

さまざまな条件やパターンを瞬時に頭の中で想定して、最適解をすばやく出す。職人さんたちのようになりたいと思いながら、鍛錬の毎日です。

マイナスイメージを武器に変えるヒント

ここまで、筆者が実際に見た職人さんたちのことを書かせていただきました。

最近では、業界全体によるイメージアップの取り組みも功を奏して、少しずつ建設業界のイメージが変わりつつあります。

ですが、今はまだ、ネガティブな思い込みを抱えたままの人もいるのが現実ではないでしょうか。

ここからは少し趣きを変えて、マイナスイメージを逆手にとって、ビジネスに活かすヒントをご紹介したいと思います。

ビジネスで使えるテクニック「期待値管理」

じつは、マイナスイメージは悪いことばかりではありません。

その理由は、人は「事前に抱いていたイメージ(期待)と実際の差」によって、物事を評価するからです。

実際のクオリティが同じであっても、事前に抱いていた期待が満たされれば満足しますし、期待が満たされなければ不満を感じます。

期待とは、言い換えれば「ハードル」です。

たとえば、
「今から、すごくおもしろい話をします」
と先にハードル(期待値)をあげてしまうと、同じ話でも笑えなくなるのと同じです。

あるいはポジティブな例を挙げると、「ギャップ萌え」があります。イメージと実際の差(=ギャップ)は、魅力となるのです。

事前の期待値を意図的にコントロールして、顧客の満足度を高める手法を「期待値管理」といいます。

小さな期待で大きな成果

たとえば、独立してビジネスを立ちあげたとき、“期待値管理”を頭の片隅に入れておくと、役立ちます。

期待と実際の差を意図的に作ることで、大きな成果を得やすくなるからです。

よい仕事をして、いつも適正な評価を得られれば理想ですが、他者の評価は主観的なものです。すばらしい仕事なのに過小評価されて、損をするケースも少なくありません。

そこで「相手が抱いている期待値」を意識してみます。

事前に期待をあおりすぎず、相手の期待を確実に満たすこと、さらにそこからプラスαで上積みすることで、相手の満足度を高めることができます。

人材採用にも有効

このテクニックは人材採用にも有効です。

たとえば採用面接で、実際より大きく期待させるトークで説得や勧誘をすると、入社してもすぐに辞めてしまう確率が高くなります。実際が期待を下回るからです。

逆に、長く勤続する人の多くは、適切な覚悟や心の準備がある状態で入ってきています。最初に過剰な期待をしていません。

実際が期待を上回ったときの、
「思っていたよりも、きつくない」
「入る前に想像していたよりも、楽しい」
という感覚が、働き続ける自信となるのです。

さいごに

本記事では筆者の経験をもとに、建設業界のイメージと実際をお話しました。

建設業界はデータやデジタル技術の活用が本格化しつつあり、これから最も注目される業界のひとつであると思います。今が変革のときではないでしょうか。

変革のときには、人々の価値観がガラッと変わります。建設業界に対するイメージが一新される日も近いかもしれません。

すでに建設業界ではたらく方々は、変革後の世界でリーダーとなる方々です。未来を見据え、業界を引っ張っていただければと思います。

※文中画像は筆者作成

文/三島つむぎ
ベンチャー企業でマーケティングや組織づくりに従事。商品開発やブランド立ち上げなどの経験を活かしてライターとしても活動中。

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