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建設業で起こり得る病気や怪我について医師が解説!病気や怪我を未然に防ぐためのアドバイス

2023年7月20日更新

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働く上で、怪我や病気のリスクには万全の注意を払う必要があります。
とはいえ、具体的にどんな対策をすべきなのか、漠然としか分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、こうした怪我や病気についての原因や対策について解説していきます。
建設業の皆さんは、ぜひ参考にしてみてください。

建設業で起こり得る怪我や事故は?

建設業は、作業の特性上、事故の危険と隣り合わせのことも多いでしょう。
ここからは、建設業で起こりやすい事故や怪我の種類について解説していきます。

建設業で起こり得る事故は?

厚生労働省が労働災害の発生状況を調査した報告があります。

「その調査によると、令和3年に建設業で発生した事故の種類は、転落・墜落、動作の反動・無理な動作・はさまれ・巻き込まれ、飛来・落下、店頭、切れ・こすれ、激突、その他となっています*1」

そして、その他の事故原因としては、崩壊・転落、なども原因としてあげられました。*1

建設業の安全管理において、こういった怪我を未然に防ぐことを意識する必要があります。

建設業では実際にどのような怪我が起こりえるのか。

では次に、建築業で労働災害として認められた怪我の中にはどのようなものがあるでしょうか。

鳥取労働局管内の各労働基準監督署に提出された「労働者死傷報告書」を基に、平成25年1月1日から平成30年12月31日までに発生した労働災害について取りまとめた調査結果を下に示します。*3

引用)*3 図16 災害分析(建設業のうち建築工事業)事故の型別 p2

https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/content/contents/16_saigai_kenchikukouji.pdf

グラフで見る労働災害の傾向

https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/newpage_00145.html

骨折・切り傷や打撲、捻挫などが挙げられていることがわかります

同じ調査では、傷病部位、つまり怪我をした部位として足や指が多いという結果も報告されています。*3

引用)*3 図16 災害分析(建設業のうち建築工事業)事故の型別 p2

https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/content/contents/16_saigai_kenchikukouji.pdf

グラフで見る労働災害の傾向

https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/newpage_00145.html

また、建設業の方は、熱中症も忘れてはいけません。

中災防のリーフレットによると、職場における熱中症による死傷者数は、2018年に1000人を超え、その後も500〜900人台で推移していることが分かります。この統計はさまざまな職種のデータになりますが、その中には建設業も含まれています。

引用)*4 STOP熱中症 https://www.jisha.or.jp/campaign/neccyusho/pdf/neccyusho_leaflet_2023.pdf

建設業の場合は、屋外作業が多かったり、高温多湿の環境で長時間働いたり、また現場で水分補給をすることが難しかったり、という理由が熱中症が起こりやすい原因と考えられます。

事故や怪我などを防ぐためには?

建設現場で多く見られる墜落や転落災害を防ぐためには、はしごや脚立を適切に使うことが重要です。

また、墜落防止用の保護具を正しく使うように徹底しましょう。*5

さらに、はしごや脚立を利用する前にはチェックリストを活用するとよいでしょう。*6

そして、熱中症対策としては、高温多湿の現場で働く場合には、よりこまめに水分や休養をとることが大切です。

全ての対策として、自分の体調管理を行い、体調不良の際には無理をしないようにしましょう。

建設業で起こり得る病気は?

次は、現在の建設業をとりまく環境についてお話しします。その後、建設業で起こりやすい病気にはどのようなものがあるのか、労災リスクの高い病気について解説します。

建設業を取り巻く環境とは?

建設業では、労働者の数が年々減っています。

そして、高齢化も進んでおり、現在は約3割が55歳以上となっています。*7

高齢化の進行により、近い将来には大半が引退してしまうということが予想され、若い人材の確保や育成が課題となっています。*8

引用)*8 建設産業の現状と課題 p16

https://www.mlit.go.jp/common/001188729.pdf

高齢化が進むということは、心血管系の病気を抱えているリスクが高くなるということにも繋がります。*9

そのような背景もふまえ、建設業の方が気を付けるべき病気について解説します。

建設業でみられる病気とは?

建設業では、脳・心臓疾患や精神障害が労災認定されています。

脳・心臓疾患

脳・心臓疾患として労災認定される病気には、以下のようなものがあります。*10

引用)*10 脳・心臓疾患の労災認定 p1

https://www.mhlw.go.jp/content/001004366.pdf

過酷な仕事が原因で血管の病気が急に加速して悪くなってしまった場合に、労働災害と認定されることがあります。*10

精神障害

建設業では、精神障害の労災認定もみられます。

建設業全体では、うつ病・適応障害・心的外傷後ストレス障害が起きている調査結果もありました。*12

また、精神障害が起こってしまう原因として、長時間労働、災害や事故などの場面を見てしまったこと、また対人関係などが考えられるという報告があります。*12

建設業での脳・心臓疾患と精神障害への対策は?

建設業では週休1日制が多く、その1日も確保できないような長時間の連続勤務が多くなってしまう場合もあるでしょう。

過重労働にならないように、労働時間を適切に把握するルールづくりなども大切といえます。

そして、対人関係に関する問題を改善するため、職場ハラスメントに関する研修の実施や、労働相談窓口の設置、情報提供を行うことも重要です。

事業所のトップが職場の状況を把握し、良好な対人関係づくりを重視していくことも望ましいですね。

個人のレベルでは、休養をしっかりと確保することが難しい場合もあるかもしれませんが、休める時にはしっかりと休み、心身の疲れを取るように心がけて下さい。

また、脳・心臓疾患を未然に防ぐためには、忙しくても最低1年に1回の健康診断を受け、自分の健康状態を把握しておきましょう。

高血圧などの、自覚症状のない病気は早期発見、治療するために健康診断を受けることが有効です。

【まとめ】

今回の記事では、建設業の方に多い怪我や病気について解説しました。

怪我や病気を未然に防ぐためには、忙しくても1年に1回の健康診断を受け、休養をしっかりととっていくことがまずは大切です。

適度に休みをとりながら、元気に働いていきましょうね。

 

[文/nishicherry2480]

行政機関である保健センターで、感染症対策等主査として勤務した経験があり新型コロナウイルス感染症にも対応した。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

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