TOP おしごと 2022年正式施行!フルハーネス義務化について改めて解説

2022年正式施行!フルハーネス義務化について改めて解説

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2022年1月2日より、建設現場などの高所作業ではフルハーネスの着用が義務化されました。これまで胴ベルトを着用していたケースもあると考えられますが、原則としてフルハーネスの着用となります。

今回はフルハーネスの義務化について背景やこれまでの流れ、特別教育の受講などに関して解説します。フルハーネスの義務化に関して、ぜひ理解を深めてください。

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改めてフルハーネス義務化の背景


フルハーネスとは、身体の胴体部分だけではなく腿や肩にもベルトを通して全身の安全を守る安全帯のことです。また、フルハーネス型であれば、胴ベルト型と比較して抜け落ちる心配もありません。
墜落時であっても荷重が胴部分に集中しないことから、内臓や脊髄の損傷を起こしにくい特徴があります。このフルハーネスの着用が建設現場では義務化されます。フルハーネス義務化の背景には、建設業における事故内容が影響しています。

2021年の型別労働災害発生状況(12月速報値)によると、死亡災害において「墜落、転落」が26%を占めており最も高い割合です。休業4日以上の死傷災害においても「墜落、転落」は14%となり、高い割合となっています。
また「第13次労働災害防止計画」では、死亡災害の減少目標として、第12次防止期間中発生件数の15%以上の減少を目指しています。重点項目において「死亡災害等、重篤な災害を防止するための対策推進」で建設業は「墜落防止用保護具について、原則としてフルハーネス型とし、墜落時の落下距離に応じた適切な保護具の使用徹底」と記されています。

このように、建設業の作業者の安全確保を目指すために、フルハーネスの義務化となっています。
※参考:
令和3年労働災害発生状況(12月速報値)
第13次労働災害防止計画

2022年1月2日 ついにフルハーネスが義務化開始!

2022年1月2日から建設業においてはフルハーネスの義務化が開始されました。2018年に安全帯に関する政令改正と省令改正が行われ、2019年2月1日から施行されています。
2019年2月1日から施行された法令改正では、名称が「安全帯」から「墜落制止用器具」に変更されました。そして、それまで使用していた胴ベルトから、原則としてフルハーネス型制止用器具を使用することに改正されています。
ほかにもフルハーネス型墜落制止用器具を使用する際は、特別教育を受講することや墜落制止用器具の構造企画が新規格に改正されています。

ただし、急な変更は現場が混乱することもあり、2022年1月1日までは改正点の例外と猶予期間があります。
まずは改正前の法令に基づく安全帯の使用が2022年1月1日まで認められていました。それに伴って、改正前の法令に基づく安全帯の製造や販売も2022年1月1日までとなっています。このような猶予期間を経て2022年1月2日からフルハーネスの義務化になりました。

以下がフルハーネスの義務化までの流れになります。

・2018年3月:労働安全衛生法の施行令と規則などを改正するための政省令と工事の改正案が発表される。
・2019年2月1日:新たなルールによる法令・公示が施行されて、6.75m以上の高さではフルハーネス型での着用が義務となる。建設業では高さ5m以上。
・2022年1月:改正前の規格の安全帯の着用・販売が全面的に禁止される。

上記で気になるのは、フルハーネスの着用が義務となる作業場の高さではないでしょうか。
こちらについて、厚生労働省の資料には、以下のように記載されています。
​​「2m以上の作業床がない箇所又は作業床の端、開口部等で囲い・ 手すり等の設置が困難な箇所の作業での墜落制止用器具は、フル ハーネス型を使用することが原則となります。 ただし、フルハーネス型の着用者が地面に到達するおそれのある 場合(高さが6.75m以下)は、胴ベルト型(一本つり)を使用す ることができます。 ※ 一般的な建設作業の場合は5mを超える箇所、柱上作業等の場合は2m以上の箇所 では、フルハーネス型の使用が推奨されます。 ※ 柱上作業等で使用されるU字つり胴ベルトは、墜落制止用器具としては使用できま せん。U字つり胴ベルトを使用する」

参照https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000473567.pdf

6.75m(建設業では5m)以下の高所作業であればフルハーネスを着用しなくてもいいように感じます。
この内容から、確かに改正内容をみると、6.75m以下での作業時はフルハーネスではなく胴ベルトなどの着用でも可能ではあります。しかし、作業場の高さによらずフルハーネスの着用が望ましいです。というのも、身体を支えるベルトが1本の胴ベルトに対し、フルハーネスは複数本のベルトで支える型であることから、安全面で大きな違いがあるからです。その為、速やかにフルハーネスへの変更をおすすめします。

6.75mという高さの基準ができたのは、胴ベルトの安全帯よりもフルハーネスの安全帯のほうが長めだからでしょう。フルハーネスは安全帯の長さから、規定未満の高さから落下したときに地面に接触する可能性があるため、フルハーネスの着用が義務付けられていません。
とはいえ、フルハーネスのランヤードを巻き取り式にすることや短いものを使うなど、工夫次第では基準に満たない高さであっても安全に使うことができるでしょう。低い場所であっても、落下後、資材に当たったり、足を滑らせてケガをしたりなど、予想外な危険にさらされる可能性もあります。どの高さにおいてもフルハーネスを着用できる方法を検討してみてください。

※ランヤード:ロープやストラップにフックや伸縮調節器などの部品がついたフルハーネスに置ける命綱にあたる部分
参考:安全帯が「墜落制止用器具」に変わります!

フルハーネス義務化で期待される効果

フルハーネスは安全面においても性能が高いわけですが、義務化により期待される効果があります。フルハーネスの義務化で期待される代表的な効果をご紹介します。

墜落阻止の際に衝撃荷重を分散できる

胴ベルトは腰の部分に1本のベルトを装着することから、墜落阻止の状態で身体が抜ける危険性があります。よくあるのは墜落阻止時に腰のベルト部分を中心として身体が「く」の字に曲がったり、逆さまになったりすることです。それらの状態では、胸部や腹部の圧迫により身体に大きな衝撃が加わります。

一方、フルハーネスであれば、肩や腿にもベルトが通っているため、身体が抜ける心配やずり上がることもないでしょう。

宙吊り状態の危険を回避し、負荷を軽減する逆さまの姿勢になることを防げる

胴ベルトなどの安全帯を正しく着用して落下阻止ができたとしても、宙づり状態での事故の可能性があります。宙づり状態が続くと身体に与える負担が大きくなったり、精神的にも不安定な状態になったりします
また、ベルト1本で身体を支えることでベルト部分に荷重がかかり、呼吸困難やしびれ、顔面硬直といった症状が現れます。地面との距離が近いときは頭部から落下する可能性もあるでしょう。

フルハーネスはD環が頭部に近くなるため、宙づりで逆さまの状態になることがありません。墜落阻止状態になっても身体への負担が少ないです。

以上の効果に加えて、ショックアブソーバーがついているフルハーネスならば、さらに安全性が高まります。ショックアブソーバーとは、墜落阻止状態の際に衝撃荷重を大きく軽減してくれる装置です。

※参考商品はこちら

身体への衝撃だけではなく、安全取付設備への荷重、ランヤードの切断などのリスクも減らせます。ただし、フルハーネスを着用しているから安全であると過信しないことが大事です。

フルハーネスを装着したからといって、墜落や転落がなくなるわけではありません。性能を過信したり正しい着用方法を守らなかったりすると、かえって危険性が高まります。誤解されている方もいますが、フルハーネスが優れているのはあくまでも墜落阻止時の耐衝撃性です。
正しい装着方法を実行することはもちろんのこと、安全帯取付設備の確保やフックの設置の仕方なども身につけることがポイントになります。

フルハーネス義務化での注意点

フルハーネスの義務化によりメリットだけではなく、注意点もおさえる必要があります。ここでは、フルハーネス義務化における注意点を2点ご紹介します。以下の内容を正しく把握しましょう。

特別教育の受講が必要な場合もある

フルハーネスの義務化にあたり、作業場所が5m以上の場所での作業ではフルハーネス着用が義務となりましたが、そもそも原則として、高さが2m以上の箇所であり、作業床を設けることが難しい場合は、フルハーネスの着用が推奨されています。また、作業場所の高さが2m以上の場所で作業床が無い現場においてフルハーネスを利用する場合、フルハーネスの特別教育の受講が義務づけられています。

特別教育は学科が4.5時間、実技が1.5時間の内容となります。
それぞれ、

Ⅰ作業に関する知識
Ⅱ墜落制止用器具(フルハーネス型のものに限る)に関する知識、
Ⅲ労働災害の防止に関する知識
Ⅳ関係法令
Ⅴ墜落制止用器具の使用方法等(実技)

となっていますが、一定の要件を満たす場合は、受講の省略が可能です。特別教育の受講を省略できるのは、以下のとおりです。

適用日(2019年2月1日)時点で高さ2m以上の箇所であって作業床を設けることが困難な場所でフルハーネス型を用いて行う作業に6か月以上従事した経験を持つ者(Ⅰ、Ⅱ、Ⅴが免除される)
高さが2m以上の箇所であって作業床を設けることが困難な場所で胴ベルト型を用いて行う作業に6か月以上従事した経験を有する者(Ⅰの受講省略が可能)
ロープ高所作業特別教育受講者又は足場の組立て等特別教育受講者(Ⅲの受講省略が可能)

以上をもとにすると、最も受講科目が少なくて済むのは「フルハーネス型を用いて行う作業に6か月以上従事した経験を持つ者」かつ「ロープ高所作業特別教育受講者又は足場の組立て等特別教育受講者」と言えます。

【参考】
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000473567.pdf
https://www.sat-co.info/blog/fullharness190001/#i-5
https://www.sat-co.info/blog/fullharness200001/#i-8

買い替え忘れのないように注意!

フルハーネスの義務化に伴い、従来までの安全帯をご利用の場合は速やかに買い替えてください。旧製品は新規格の墜落制止用器具に切り替えなければなりません。すでに旧規格の製品は製造と販売が停止されていますので、店頭で旧規格のものを購入することは少ないでしょう。

店舗で購入するときは「墜落制止用器具」と書かれているものは新規格ですので、そちらを購入しましょう。通販サイト、特にフリマサイトなどの個人で購入する際は旧規格のものが出品されている可能性があります。
よって、新規格のフルハーネスを購入する際は、できるだけ店頭で実物をしっかりと確認することをおすすめします。

※参考商品はこちら

まとめ

2022年1月2日からフルハーネスの義務化がスタートしており、本記事では制度の概要から買い替えまで幅広くご説明しました。
フルハーネスは墜落阻止状態になった際に、身体への衝撃を抑えることができるため、安全性を考えるとしっかりと着用したいところです。また、旧規格の製品をお使いのようでありましたら新規格の製品への買い替えを行う必要があります。
フルハーネスを正しく着用して、安全な作業を目指しましょう。

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