そこで今回は解体工事施工技士についてや、取得のメリットと受験資格等、解体工事施工技士になるための方法を詳しく解説します。
目次
解体工事施工技士とは
解体工事施工技士は建設業法施行規則第七条の三第二項を法的根拠とした国家資格であり、合格者は公益社団法人全国解体工事業団体連合会全解工連の「解体工事施工技士登録者名簿」に毎年名前が登録されます。
解体工事施工技士の資格でできること
解体工事施工技士は、解体費用が500万円未満の軽微な解体工事について、管理者になれます。簡易な解体工事であれば、解体工事施工技士が請け負えるため、資格取得によって仕事の幅を広げられます。
500万円以内の解体工事とは例えば、古屋の解体工事やマンションのリフォームに伴う内装解体(スケルトン工事)等です。
500万円以上の解体工事については、解体工事施工技士の資格だけでなく、建設業許可を得ている会社であることが受注の条件とされています。
解体工事施工技士資格創設の目的
解体工事施工技士資格は、解体工事技術など必要な能力の向上を目的としていますが、それ以外に解体工事の増加に対応するためでもあります。
日本の建築物は平均30年から50年で寿命を迎えるため、解体工事が必要です。しかし、解体工事の需要が増える一方でそれを行う技術者の確保は人手不足などの要因で難しくなっています。
また、解体対象物の大型化や複雑化が進んでいることも設置の要因です。昔は木造建築がほとんどでしたが、最近では鉄筋コンクリートの建物も多くあります。特に高層ビルがその典型例です。
解体工事は建物の寿命によるものだけでなく、災害が原因による場合もあります。また、リサイクルの促進や廃棄物の適正処理など、環境に配慮した工事が求められることもあり、これらの工事を行える能力を持っている人材の必要性は増しているのです。
こうした問題を解決できる人材を育てる目的で、解体工事施工技士の資格は設置されています。ただし、解体工事施工技士の資格で行える解体工事は500万円未満のもののみです。500万円以上の解体工事は建設業許可を得ている会社でなければできないので注意してください。
解体工事施工技士になるメリット
解体工事施工技士は国家資格であり、取得によって様々なメリットを得られます。そのメリットは以下の通りです。
・解体工事の管理者になれる
・キャリアプランの幅が広がる
・資格取得の過程で知識を得られる
それぞれ以下で解説します。
解体工事の管理者になれる
解体工事施工技士の資格を取得すると、500万円未満の解体工事の管理者となれます。建設業は現場の管理者となるには特別な資格が必要なことが多く、資格を持っていることはスキルの証明になるのです。
管理者になれる人は決して多くはなく、解体工事施工技士になっていれば、現場でより重要な立場で仕事ができます。それだけ、解体工事において必要不可欠な人材となれるのです。
キャリアプランの幅が広がる
解体工事施工技士として、自分のスキルを磨いたり請け負える仕事の範囲が広がったりすれば、キャリアプランの幅が広がります。建設会社でより高い役職を目指したり、資格手当などで収入アップを目指したりできるでしょう。
また、他にもスキルを活かした独立も可能であり、自分が描くキャリアプランを実現可能です。解体工事施工技士の取得はキャリアアップにもプラスの効果があります。
また、解体工事施工技士や職人が年収を上げていく方法については以下の記事で解説しております。
建設業の職人が年収を上げるには?転職・独立・副業それぞれのメリット・デメリットや向いている人の特徴とは
資格取得の過程で知識を得られる
解体工事施工技士は解体工事の管理者として必要な知識を幅広く求められます。そのため、合格には建築・土木の基礎知識や解体工事に関する知識、廃棄物の処理など様々な知識が必要です。
資格取得の過程で、それらの知識を勉強するため、建設業に関して様々な知識を得られます。また、資格取得後も定期的に免許更新のための講習が行われるため、継続的に学び続けられるのもメリットです。
解体工事施工技士になるには
解体工事施工技士になるには、受験資格を満たしたうえで試験に合格しなければなりません。その受験資格は以下の通りです。
・大学または専門学校(4年制)「高度専門士」卒業であり、指定学科卒業後1年6か月以上もしくは指定学科以外卒業後2年6か月以上の解体工事の実務経験がある者
・短期大学または高等専門学校(5年制)または専門学校(2年制又は3年制)「専門士」卒業であり、指定学科卒業後2年6か月以上または指定学科以外卒業後3年6か月以上の解体工事実務経験がある者
・高等学校または中等教育学校(中高一貫6年)または専門学校(1年制)を卒業であり、指定学科卒業後3年6か月以上または指定学科以外卒業後5年6か月以上の解体工事の実務経験がある者
・解体工事の実務経験が8年以上ある者
解体工事施工技士の受験資格を得るには
一定の解体工事経験が必要です。自分がどの受験資格に該当しているか事前に確認しておきましょう。
解体工事施工技士の試験は4つの選択肢から回答を選ぶ選択問題です。合格率は平均6割弱ほどなので、しっかり対策すれば合格は難しくありません。合格基準は試験ごとに、委員会で基準を決定します。
解体工事施工技士は資格の有効期限が5年と定められており、合格後も免許更新のためには毎年2~3月に行われる更新講習を受けなければなりません。
解体工事施工技士は登録制度がとられており、本人申請によって全解工連の「解体工事施工技士登録者名簿」に登録されます。登録によって資格取得を証明する「登録証」と「資格者証」が発行されるので、忘れずに登録しましょう。
登録制の国家資格は信頼度が高く、解体工事施工技士の場合、500万円未満の解体工事の管理者となれます。独立をした場合、様々な資格の有無が重要なので、積極的に取得しましょう。
解体工事施工技士の資格を使えば、解体工事業の登録ができます。解体工事業の登録は個人事業主でも行えるため、独立するのであれば合わせて登録しておくと良いでしょう。解体工事業登録のための条件は以下の通りです。
(1) 法で定める不適格要件に該当しないこと。
ア 登録申請書及び添付書類に虚偽の記載があったり、重要な事実の記載がなかった場合。
イ 解体工事業者としての適正な営業を期待し得ない場合
例えば、
・解体工事業の登録を取り消された日から、2年を経過していない者。
・解体工事業の業務停止を命ぜられ、その停止期間を経過していない者。
・建設リサイクル法に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行を終わってから2年を経過していない者。
・暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者。などが該当します。
(2) 主務省令で定める基準に適合する技術管理者を選任していること。
・技術管理者について
技術管理者とは、解体工事の現場において、解体工事の施工の技術上の管理をつかさどる者をいいます。
解体工事業の登録には条件があり、すぐに登録することはできません。しかし、現場で経験を積んで着実にキャリアアップすることができれば、独立後に解体工事業者として活動することができるでしょう。
まとめ
ここまで解体工事施工技士について、資格の概要や目的、取得のメリット、取得するまでの流れなどを解説しました。
解体工事施工技士は需要が高まり、複雑化する解体工事を適正な手順や廃棄物の処理できる能力を向上させることが目的の資格です。実務経験が求められ、取得すれば500万円未満の解体工事の管理ができるため、建設従事者としてキャリアの幅を広げられます。
受験資格を得るためには一定の実務経験が必要であり、その期間は短くとも1年6か月となっていますが、メリットも多い資格と言えます。
資格を一度取得すれば、5年間は解体工事施工技士として活動できます。また、免許更新は講習の受講のみでできるため、取得後の労力はそれほどかかりません。
解体工事施工技士の資格は解体工事業の登録にも役立つため、独立にも活かせます。本記事を読んで、解体工事施工技士に興味を持った方は、ぜひ資格取得を目指してみてください。
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