TOP インタビュー 最大85%オフ商品も!廃番品で資材価格高騰に挑む「4earth」とは

最大85%オフ商品も!廃番品で資材価格高騰に挑む「4earth」とは

2023年1月24日更新

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建設資材価格の高騰は多くの職人さんが実感していると思います。中には見積時よりも大きく値上げしたことで赤字になるケースも。。

そんな中、「メーカー廃番品」を活用することで、資材価格高騰に切り込む会社がありました。今回は、さまざまな空間づくりに携わる総合ディスプレイ業の丹青社が取り組む事業「4earth」について取材しました。

▼野本 康仁さん(写真左)
株式会社丹青社 企画開発センター
事業開発統括部 2部
部長

▼真家 聡さん(写真右)
株式会社丹青社 企画開発センター
事業開発統括部 2部
シニアプランニングディレクター

4earth HP:https://4-earth.jp/

格安&高品質を可能にする「廃番品」

赤木:本日はよろしくお願いします。早速ですが、4earthの仕組みについてご説明頂けますか。

野本:4earthは端的にいうと「メーカーの廃番品を扱うことで格安かつ高品質なインテリア資材・建材を購入することができる」ECサービスです。現在、建設資材価格が高騰しているというのはご存知ですよね?

赤木:よくニュースで見ますね。

野本:4earthは、メーカーで廃番になった製品を、通常の価格よりリーズナブルな価格で提供しています。

赤木:廃番品というと、メーカーで製造が終了した製品ですよね。

真家:はい。ですが、メーカーで新商品の発売やトレンドの移り変わりが理由でカタログから外れた製品の事で、決して中古品やB級品ではありません。品質は新品の製品となんら変わらないんです。

赤木:そんな製品がどれくらい割安で購入できるんですか?

野本:製品によってまちまちですが、最大で85%オフで売っているものもあります。

赤木:85%オフですか!それは凄い…

野本:廃番品ですが、商品はメーカーの保証もついていますので、安心して利用頂くことができます。


最大85%オフの床材や、最大83%オフの家具も(4earth公式サイトより)

赤木:商品点数はどれくらいあるんですか?

真家:今は40社のメーカーに協力頂いており、商品点数は全部で500点以上あります。(2022年11月時点)例えばタイルカーペットやスポットライト、ハイチェアー、壁のシートやクロスなどですね。

赤木:個人でもDIYで使えそうなものもありますね。

野本:仰るように、一般消費者の方からの購入も想定しています。法人の方に対しては、請求書払いもできます。

赤木:例えば建物1棟を作ろうと思った時に、どれくらいまで4earthの製品でカバーできるものですか?

野本:今はまだ100%とは言えませんが、徐々に参画頂くメーカーも増えてきているので、カバーできる範囲はこれからも広げていきたいと思っています。

格安製品の購入が環境配慮に

赤木:こういった廃番品はメーカーから仕入れてると思いますが、廃番品を格安で提供するメーカーにはメリットってあるんですか?利益にはならないでしょうし。

野本:もちろん、メーカー側にもメリットはあります。廃番品はそのまま置いていても保管費用や在庫管理の人件費がかかります。処分するにしても、もちろん費用がかかりますし、産業廃棄物の排出量も増えるなど、コスト面や環境面でも負担がかかりますが、そうした部分を軽減する事が可能です。

赤木:確かに、廃番品をそのまま保管しても再利用する事は無さそうですしね。

野本:大手メーカーだと倉庫が全国に分かれていることも多いので、在庫管理が煩雑になりますからね。

赤木:こういった製品が流通することで、本来は廃棄処分するはずだったものが利用されるようになるんですね。凄くいい仕組み!

野本:最近はSDGsも重要視されていますので、リーズナブルな商品を購入する事でSDGsに貢献することもできます。

赤木:画期的なビジネスモデルですね!


リーズナブルな商品を購入することでSDGsに貢献

空間づくりを通じて見えたディスプレイ業界の課題

赤木:丹青社というと空間プロデュースのイメージが強いですが、やはり主な事業は大型施設のプロデュースですか?

野本:大型施設に限っている訳ではありませんが、全国の飲食店や大型商業施設、ホテルや空港、オフィスにイベント、博物館や美術館まで幅広く携わります。それらの企画、設計、施工から運営、演出に至るまで、空間づくりを一貫してサポートすることを強みに、お客様のニーズに合わせて課題解決をお手伝いしています。

赤木:4earthは丹青社の本業とはかなり異なっているように思えますが、今までも4earthみたいな事業をしていた事ってあるんですか?

野本:今まではありませんでした。

赤木:そんな中でこのビジネスを思いついた経緯を教えてもらえますか。

野本:これは業界の課題なんですが、施設の解体工事や建設現場などでどうしても廃棄物が出てしまいます。私も現場で長く働いていましたので、「もったいない。廃棄物が多い。」という思いがあり、少しでもそういったものを減らすことができないかと考えたのがきっかけです。

赤木:確かに、建設業界はそういった廃棄物がどうしても出てきますよね。

野本:具体的にどんな切り口があるか調べる為に空間づくりでお付き合いのあるメーカーにヒアリングをしていたところ、廃番品を活用したいというニーズがあることが分かりました。

赤木:そこで廃番品だったんですね。

野本:従来からいくつかのメーカーでも特別販売として廃番品を扱うことがありましたが、どうしても在庫は残ってしまいます。そこで、廃番品を販売できるチャネルを増やす提案をしたところ、多数のメーカーが賛同してくれました。

赤木:メーカーとしても有難い話ですよね。

野本:はい。そこからアイディアを形にしていき、今の4earthの形ができました。

SDGsと経済合理性の両立

赤木:4earthのアイディアって凄く画期的だと思うんですが、ECサイトの運営をゼロからやっていく上でぶつかる問題ってありましたか。

真家:ゼロベースでスタートしたEC事業なのでやはり色んな問題にあたりましたが、今でも課題になっているのは認知度です。どうやって新規事業で認知拡大を図っていくのかも手探り状態でしたので。

赤木:確かに、良いサービスでも認知度がないと始まらないですからね。

真家:初年度である2021年度はECサイトの基盤づくりや協力頂くメーカーを増やすことに注力しましたが、2022年度は展示会に積極的に参加したりとPRに力を入れました。

赤木:展示会での反応はかなり良いんじゃないですか?

真家:そうですね。ECサイトをパッと見ただけでは分からなくても、展示会で直接サービスの説明をすると「凄く良い取り組みだ」と言って頂けます。今はメルマガを打ったり公式LINEを使ったりと、地道に理解を深める活動をしています。

赤木:安く購入できて、それが環境にも良いとなればどこかで一気に広まっていきそうですね。

野本:建設業のSDGsの取り組みと言えばゼネコンやハウスメーカーが先行していると思いますが、4earthが広まることで、工務店やリフォーム会社の取り組みが更に進むといいですね。

赤木:工務店からしたら、「足元で資材価格が高騰している中でSDGsなんて言われても…」って気持になりますよね。自分事になりづらいというか。

野本:私達もそうですよね。日常生活と直結するイメージがわかなかったり、自分の損得に繋がらないとなかなか自分ごととして捉える事が難しいと思います。

赤木:それが、お買い得な商品を買う事で一気に繋がると。なるほど。。

真家:また、4earthでは、売上の一部をNGOやNPOに寄付するというプログラムを実施しています。購入者に寄付先を任意で選択していただき、4earthから各団体へ寄付を行うという仕組みです。

 

赤木:寄付先は建設業に直接関係しているわけじゃないんですね。

野本:幅広い団体に支援ができるように、ジャンルがそれぞれ重複しないものが選べるようになっています。

赤木:こういった取り組みも含め、業界全体の意識を底上げしていくんですね。

環境配慮を身近に感じてもらう為に、まずはリーズナブルな商品を手に取って欲しい

赤木:今後の事業展望についてお伺いできますか?

野本:まずは廃番品のアイテム数と利用者を増やしていきたいですが、将来的には廃番品だけじゃなく、環境に配慮した建材を取り扱ったり、工事を行う上でのコンサルティングなどにも事業を広げていきたいですね。

赤木:なるほど。ECから入って、本業の空間づくりとの連携を強くするんですね。

野本:もともと、私達の所属する企画開発センターは新規事業の立ち上げをミッションとしていまして、今のメイン事業とは別に、将来的な事業の柱を作ろうということでこの事業が始まっています。

野本:将来の展開は色々と考えていますが、まずはお客様にサービスの魅力を知って頂き、そこから環境配慮の意識やコンセプトに共感して頂きたいです。4earthが成長することで、空間づくりの幅も広がり、お客様や社会の課題解決に貢献していきたいと思っています。