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2022.2.18

アスファルト舗装の種類や単価、長所・短所について

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舗装された道路や駐車場は、私たちの生活を支える欠かせないインフラです。しかし、普段何気なく歩いたり車で通ったりしているその路面には、さまざまな「材料」や「工法」、「選び方」の工夫が隠れています。

「あの黒い道って何でできているの?」「アスファルトとコンクリートの違いは?」と疑問に思ったことはありませんか?
本記事では、アスファルト舗装を中心に、舗装材料の種類や特徴、施工方法、気になる価格まで、初めての方にも分かりやすく解説します。舗装選びのポイントや現場での実際の判断基準も紹介しますので、道路や工事に興味がある方はもちろん、発注検討中の方もぜひ参考にしてください。

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アスファルト舗装とは・舗装の基礎知識

道路はなぜ「舗装」されているのでしょうか?そもそも「舗装」「アスファルト」とはどんな意味をもつのでしょう。
まずは、誰もが知っていそうで意外と知らない、舗装の基本知識とアスファルト舗装の概要から丁寧に見ていきます。

舗装とは

舗装(Pavement)とは、道路・駐車場・歩道などの地表面を人や車両が安全・快適に通行できるように、人工的な材料で覆い、平坦に整備する工事・構造です。主な目的は、耐久性、排水性、快適性、安全性を確保することにあります。

舗装には大きく分けて「アスファルト舗装」と「コンクリート舗装」があり、日本に限らず世界各国で最も多く使われているのが「アスファルト舗装」です。日本国内の一般道路のうち9割以上がアスファルト舗装で構成されていると言われています。

アスファルト舗装とは

アスファルト舗装は、アスファルト混合物(アスファルト合材)を表面材として用いた舗装方法です。車道、駐車場、歩道、工場の敷地など多くの場所に施工されます。

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アスファルトの原料と製造方法

普段何気なく目にしている「アスファルト」は、一体何からできているのでしょうか?
ここでは、アスファルトの原料や製造工程、その特徴について、少し専門的な観点も交えてわかりやすく説明します。

アスファルトとは何か?

アスファルトは、石油を精製した後に残る黒色の粘性物質で、自然界にも存在しますが、現代の建設分野で使用されているアスファルトは、ほぼ全てが「石油アスファルト」です。
アスファルトは粘着性・防水性・柔軟性があり、加熱すると流動しますが、冷えると固化するという特性があり、舗装の表面材として最適です。

アスファルトの主な原料・成分

・ビチューメン(Bitumen): アスファルトの主成分で石油の残渣(ざんさ)

・骨材: 砕石、砂、粉体(フィラー)など
これらを加熱した状態で攪拌・混合し、アスファルト混合物(合材)となります。

アスファルトの製造工程

・石油精製で軽油・重油・ガソリンを抽出後、残るのが「原料アスファルト」

・必要に応じ添加剤(ゴム・樹脂等)を配合、粘性・耐久性を調整

・開発されてきた各種改質アスファルト(乳剤・ゴム改質等)もある

アスファルト合材の種類


用途・要求性能に応じ、「密粒度」「粗粒度」「ギャップ粒度」「排水性」「透水性」「カラー」など、さまざまな種類・素材バランスで製造されます(詳しくは後述)。

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アスファルト舗装とコンクリート舗装の違い

舗装材料にも種類があり、目的や現場ごとにふさわしい選び方があります。

代表的な「アスファルト舗装」と「コンクリート舗装」の違いを中心に、それぞれの特徴や用途、メリット・デメリットを一覧で整理しましょう。

あなたの現場や要望にはどちらがベストでしょうか?

アスファルト舗装

・柔軟で振動吸収性が高く、騒音・振動抑制に優れる

・施行が早く、補修も容易

・初期コストが安いが、耐用年数(寿命)は10〜20年ほど

コンクリート舗装

・一般的に20〜40年と寿命が長く、高耐久

・固く重厚なため重量車両(バス停・工場道路・滑走路等)に強い

・初期コストは高い(アスファルトの1.5〜2倍)

・補修は難易度が高いが、メンテナンス頻度が抑えられる

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アスファルト舗装の構造・各層の役割と材料

アスファルト舗装は、実は「何層もの構造」で成り立っています。
その仕組みを理解すると、なぜ耐久性や機能に違いが出るのか納得できるはず。各層の役割や使われる材料を分かりやすく紹介します。

表層

・アスファルト混合物(合材)を舗装の最上層に敷設

・運搬、散水、ローラーで密実に仕上げる

・直接車両や歩行者と接するため耐摩耗・耐水性が要求される材料を使用

基層

・表層の下に敷く層、強度・支持力を高める

・表層よりやや粗いアスファルト合材

上層路盤・下層路盤

・砕石など比較的強固な材料を敷き詰め固める

・負荷を均等に路床へ伝達する役割

路床

・最下部。もともとの地盤または地盤改良材

・路盤より下に存在し、路盤層全体を支える

※路床と路盤の違い: 路床=地盤の上または改良層、路盤=路床と舗装(表・基層)の間にある支持・荷重分散層

アスファルト舗装の種類と特徴(合材の分類も含む)

アスファルト舗装と一口に言っても、用途や性能、見た目によってさまざまな種類があります。

それぞれの違いを知ることで、目的に合わせた「最適な選び方」が見えてきます。

ここでは代表的なアスファルト舗装の分類と特徴、用途ごとの選び方のヒントをまとめます。

主なアスファルト舗装の種類

アスファルト以外にも、コンクリートやインターロッキングなど多様な舗装材が活用されています。

ここでは、主要な舗装材の特徴や費用感、選ばれる理由を比較してみましょう。実際にどんな場面で選択されているのかも紹介します。

密粒度アスファルト舗装

最も一般的。安価・施工性・耐摩耗・維持管理性に優れる

・車道・駐車場・一般道路に多い

・表層・基層用・骨材の粒度:均一

粗粒度アスファルト舗装

・密粒度よりも粗い骨材を使い、支持力を重視

・主に基層など下部層用

ギャップ粒度アスファルト舗装(高密度ギャップ等)

・粒度にわざと大小の空隙を設け、変形抵抗・耐滑性を重視

・交差点・勾配道路等

排水性アスファルト舗装※(ポーラスアスファルト舗装)

・多くの空隙を持たせて雨水を素早く内部に浸透・排水させる

・ハイドロプレーニング現象防止、安全性向上、騒音低減

・主に高速道路・市街地幹線道路用

透水性アスファルト舗装

・排水性と類似するが、表層から下層まで水が透過

・地下水涵養や排水ピットへ導水

・強度はやや低いため、歩道や駐車場等静かな交通向き

保水性舗装

・多孔質材料が雨水を保持し、蒸発時の気化熱で路面温度を下げる

・ヒートアイランド・都市部対策用

カラーアスファルト舗装

・顔料や着色骨材で好きな色を付けた舗装

・景観・道路区分・バスレーン・歩道橋等に利用

・性能は密粒・排水性・透水性等と組み合わせ可

改質アスファルト舗装

・ゴムや高分子など改質剤で柔軟性・耐久性アップ

・交通量多い、高温多湿部、滑走路等で採用

コンクリート舗装・他舗装材との比較

コンクリート舗装の特徴

・アスファルトより高コストだが高耐久(20〜40年)

・熱害・変形に強め、重量車両路や港湾、滑走路によく使う

・硬いので施工後の補修は困難、施工には養生期間が必要

アスファルト舗装とコンクリート舗装の費用比較(目安)

その他の舗装材

・インターロッキング: 美観性が高く透水性も備え、歩道や広場に最適

・ポーラスコンクリート: 透水性コンクリートで水ハケ良いが耐摩耗やや弱(ポーラスコンクリートの欠点にも注意)

アスファルト舗装の施工工程と用語解説

実際に舗装を行うには、どんな工程と専門用語を押さえておく必要があるのでしょう?

現場の一連の流れや工事に使われる言葉を、初めての方にも理解しやすく解説します。

【標準的な道幅5m・車道での例】

1.現地調査・測量
・設計図の確認、現地の測量、地盤状況チェック

2.地盤整備(路床工事)
・重機で元地盤を整形・転圧し、強度不足部は改良

3.路盤工事

・下層路盤:砕石や砂利を10〜20cm程度敷設・転圧

・上層路盤:さらに砕石を敷き、均し圧をかける

・※役割:荷重分散と路面安定化

4.基層工事

・加熱アスファルト混合物をアスファルトフィニッシャーで敷設・転圧

5.表層工事

・さらに高密度アスファルト合材を敷設・転圧

・舗装厚は4cm前後が一般的

6.仕上げ、ライン引き

・道路標示ライン・反射材などを仕上げ

※用語解説

・アスファルト合材: アスファルトと骨材(砕石・砂)の加熱混合物

・ポーラスアスファルト: 空隙率が大きく水が抜ける特殊合材

・ギャップ粒度: 粒度分布に大小の間隙を設けた材料設計

アスファルト舗装・他舗装の価格・単価・費用内訳

「工事費用」は誰しも気になるポイントです。アスファルト舗装やコンクリート舗装の価格相場・費用内訳について、分かりやすく整理します。

アスファルト舗装の費用・単価相場

・1平米あたり: 3,000〜7,000円(駐車場等の小規模で高め、大面積で安くなる傾向)

・例:車1台分(約13㎡): 40,000〜90,000円

・路地・私道:距離換算や条件・仕様で異なる

コンクリート舗装・他舗装の費用目安

費用構成の内訳例

・材料費(アスファルト・砕石等)

・人件費(作業人数・日数)

・機械費・重機チャーター代

・運搬・廃材処分費

・雨水排水処理・補強費

・付帯設備費(ライン、縁石等)

単価が上下する要因

・面積(広いほど割安)

・地域(都市部は高め)

・地盤条件・厚さ・勾配

・施工難易度、交通量区分

・仕様(排水性・カラー・高度合材は高め)

アスファルト舗装の長所・短所

アスファルト舗装にはメリットもデメリットも存在します。

工法選びで後悔しないためにも、長所・短所のリアルな違いを知っておきましょう。

長所(メリット)

・施工が早く、供用開始も早い:加熱アスファルトは冷却後すぐ固化し数時間で通行可能

・初期コストが安い:材料費、施工性が高く、短工期で人件費も抑えられる

・補修、維持が容易:小規模補修が安く済む。早期修復で被害拡大も防げる

・静音、振動の少なさ:継ぎ目なし、柔軟性で走行時の音や振動を抑制

・美観性、色調変更対応:カラー舗装や景観配慮で多彩なデザイン可能

短所(デメリット)

・重量物路、高温下で変形しやすい:重車両、酷暑下ではわだち割れ・変形・タイヤ跡リスクあり

・耐用年数はやや短い:交通量、気象条件によって10年程度で補修or打ち換え必要

・維持管理コストがモノによる:補修頻度が高まるとコンクリート舗装より長期総費用が高くなる場合も

・ヒートアイランド現象の一因に:熱吸収、放射性が高く、都市部での温度上昇に寄与

・損傷しやすい環境がある:強い日射・降雨、軟弱地盤ではひび割れ等が早期発生

コンクリート舗装の短所(補足)

・初期費用が高い、施工に時間がかかる

・補修ピース作業が難しく、全体打ち替えになりやすい

・振動・騒音が大きめ(特にトラック多い道路等)

よくある疑問Q&Aと最適な舗装選びのポイント

Q1. アスファルトとコンクリート、駐車場ならどちらが良い?
→ 一般の小規模駐車場や賃貸住宅なら、初期費用・速さ・補修性重視でアスファルトが主流です。長期間で車両サイズや利用回数が非常に多い場合、コンクリートを検討するのもいいでしょう。

Q2. 駐車場の維持費や補修サイクルは?
→ アスファルトの場合、小補修を3〜5年ごと、10〜20年で全面打ち替えがおおまかなサイクルです。コンクリートは補修頻度少ないですが、ひび割れや段差等で一部施工費用が高くなる場合もあります。

Q3. 排水性・透水性舗装の選定基準は?
→ 駐車場等で水たまりができやすい場所や歩道には、排水性・透水性舗装で安全・快適性向上が見込めます。車道主流は排水性、歩道・公園は透水性が推奨されます。

Q4. カラーアスファルトは耐久性が落ちる?
→ 基本性能は通常仕様と同等ですが、頻繁なタイヤ往来、大型車では剥がれに注意が必要です。用途に応じた骨材・顔料配合で寿命改善も可能です。

Q5. どの舗装が「安い」「使いやすい」「長持ち」?
→ 初期コストならアスファルトがベター。補修容易。長期的に見て重車両利用等にはコンクリートが推奨されます。

まとめ

アスファルト舗装は、高いコストパフォーマンスと施工性、多様な現場への適応性から日本国内で圧倒的なシェアを誇ります。
本記事で解説したように、「舗装」の定義や各構造層の役割、原材料や合材の種類・特徴、具体的な用途別選定基準、価格・単価相場、さらにアスファルトとコンクリートなど他舗装材との比較を総合的に理解することで、用途や現場に合わせた賢い舗装選びができるでしょう。

舗装の選定は初期費用だけでなく、用途、周辺環境、将来の維持管理コスト、見た目や機能性も加味して、最適な材料・工法を検討することが重要です。不明な点があれば、専門業者や設計士などへの相談も選択肢に入れてみてください。

(文/週刊助太刀編集部)

【参考】

https://10mtv.jp/pc/column/article.php?column_article_id=3606

道路舗装事業者を取り巻く環境と今後の方向性 

http://www.askyo.jp/knowledge/05-3.html

https://www.jam-a.or.jp/asphalt/material.html

https://www.jam-a.or.jp/asphalt/type.html

https://www.jcassoc.or.jp/cement/1jpn/jk8_1.html

国土交通省資料1

https://www.correc.co.jp/gaiko-plus/concretetanka

https://www.hus.ac.jp/hokukadai-jiten/detail/b1328a7252f0d9b438dab5c5c9537a130e017b69-18359/

https://www.mlit.go.jp/road/sign/pavement3.html

https://www.pwrc.or.jp/thesis_shouroku/thesis_pdf/0507-P034-037_ito.pdf

https://www.cbr.mlit.go.jp/kikaku/asphalt/data/shiryo05_r21211.pdf

国土交通省資料2

https://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_08b_01.html

https://www.ecocleansoil.jp/blog/1365/

https://www.biz.ne.jp/matome/2003300/

https://parkengineer.com/column/944/

https://oneline-blog.com/exterior/interlocking-parking/

https://2ndlabo.com/article/727/

https://zous-exterior.com/blog/interlocking/

https://marumasa-okinawa.jp/asphalt/

https://www.sekoukyujin-yumeshin.com/learn/22964/

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