一般財団法人日本データ通信協会によると、新制度が導入された令和3年度は全試験合計で12,274名が受験し、4,769名が合格しています。工事担任者には様々な試験があるため、各試験によって難易度・合格率は異なりますが、全体で考えると受験者の38.9%が合格していることになります。
今回の記事では、工事担任者試験の難易度・合格率について試験種別に詳しく紹介します。また、試験内容や資格を取得するメリット、資格取得のための勉強方法なども紹介するので、工事担任者の資格取得を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
今回の記事では、工事担任者試験の難易度・合格率について試験種別に詳しく紹介します。また、試験内容や資格を取得するメリット、資格取得のための勉強方法なども紹介するので、工事担任者の資格取得を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
目次
工事担任者の難易度・合格率は?
令和3年度から新しい資格制度が導入され、現在は以下5種類の資格があります。
・第1級アナログ通信
・第2級アナログ通信
・第1級デジタル通信
・第2級デジタル通信
・総合通信
※AI第2種、DD第2種は現在廃止されています(令和3年度から3年間に限り試験自体は実施されます)。
それでは、直近行われた6回の各試験の合格率を見ていきましょう。
区分 | 試験種別 | 試験申請者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成30年度第1回
|
AI第1種 | 896 | 775 | 209 | 27.0% |
AI第2種 | 278 | 230 | 55 | 23.9% | |
AI第3種 | 1,616 | 1,474 | 748 | 50.7% | |
DD第1種 | 2,838 | 2,203 | 639 | 29.0% | |
DD第2種 | 248 | 195 | 37 | 19.0% | |
DD第3種 | 4,408 | 4,012 | 1,999 | 49.8% | |
AI・DD総合種 | 4,813 | 3,555 | 765 | 21.5% | |
計 | 15,097 | 12,444 | 4,452 | 35.8% | |
平成30年度第2回
|
AI第1種 | 1,013 | 815 | 270 | 33.1% |
AI第2種 | 349 | 287 | 47 | 16.4% | |
AI第3種 | 1,758 | 1,538 | 616 | 40.1% | |
DD第1種 | 3,237 | 2,550 | 848 | 33.3% | |
DD第2種 | 398 | 310 | 44 | 14.2% | |
DD第3種 | 6,148 | 5,589 | 2,602 | 46.6% | |
AI・DD総合種 | 5,697 | 4,261 | 1,082 | 25.4% | |
計 | 18,600 | 15,350 | 5,509 | 35.9% | |
令和元年度第1回
|
AI第1種 | 869 | 735 | 269 | 36.6% |
AI第2種 | 289 | 241 | 66 | 27.4% | |
AI第3種 | 1,936 | 1,736 | 823 | 47.4% | |
DD第1種 | 2,439 | 1,946 | 511 | 26.3% | |
DD第2種 | 235 | 191 | 35 | 18.3% | |
DD第3種 | 4,583 | 4,125 | 1,727 | 41.9% | |
AI・DD総合種 | 4,567 | 3,503 | 928 | 26.5% | |
計 | 14,918 | 12,477 | 4,359 | 34.9% | |
令和元年度第2回
|
AI第1種 | 908 | 755 | 196 | 26.0% |
AI第2種 | 246 | 200 | 63 | 31.5% | |
AI第3種 | 2,501 | 2,218 | 783 | 35.3% | |
DD第1種 | 2,897 | 2,295 | 649 | 28.3% | |
DD第2種 | 288 | 214 | 40 | 18.7% | |
DD第3種 | 6,267 | 5,748 | 2,841 | 49.4% | |
AI・DD総合種 | 4,926 | 3,658 | 796 | 21.8% | |
計 | 18,033 | 15,088 | 5,368 | 35.6% | |
令和2年度第2回
|
AI第1種 | 1,108 | 869 | 286 | 32.9% |
AI第2種 | 269 | 193 | 36 | 18.7% | |
AI第3種 | 3,374 | 2,931 | 1,220 | 41.6% | |
DD第1種 | 3,524 | 2,669 | 767 | 28.7% | |
DD第2種 | 308 | 219 | 37 | 16.9% | |
DD第3種 | 7,749 | 6,783 | 3,196 | 47.1% | |
AI・DD総合種 | 6,365 | 4,459 | 1,266 | 28.4% | |
計 | 22,697 | 18,123 | 6,808 | 37.6% | |
令和3年度第1回
|
第1級アナログ通信 | 801 | 675 | 261 | 38.7% |
第2級アナログ通信 | 1,930 | 1,726 | 733 | 42.5% | |
第1級デジタル通信 | 2,409 | 1,931 | 542 | 28.1% | |
第2級デジタル通信 | 4,582 | 4,160 | 2,073 | 49.8% | |
総合通信 | 4,571 | 3,552 | 1,099 | 30.9% | |
AI第2種 | 125 | 106 | 28 | 26.4% | |
DD第2種 | 166 | 124 | 33 | 26.6% | |
計 | 14,584 | 12,274 | 4,769 | 38.9% |
※令和2年度第1回はコロナウイルス感染拡大により中止
工事担任者の難易度は、上位資格になるほど難しくなります。実際に過去6回実施された各試験の合格率を見ると、
第1級アナログ通信(旧 AI第1種)の合格率は32.2%、第1級デジタル通信(旧 DD第1種)の合格率は29.1%となっており、第1級はともに3人に1人も合格していないことになります。
一方で、第2級アナログ通信(旧 AI第3種)の合格率は42.4%、第2級デジタル通信(旧 DD第3種)の合格率は47.5%と、それぞれ4割以上が合格に至っています。
また、工事担任者の資格の中でも最難関と言われている総合通信の合格率は25.8%と、やはり最も難易度が高いことが分かります。
工事担任者の試験に受験資格は設けられておらず、学歴・年齢・性別・実務経験などを問わず誰でも受験できます。試験はマークシート方式になっているので、比較的勉強しやすいでしょう。
それぞれの試験には3つの科目が用意されており、各科目とも100点満点中60点以上で合格となります。ただし、科目免除制度が設けられており、一部の科目で合格ラインを超えていた場合、次回試験が免除されます(最大3年間)。
一発合格となると難易度は一気に高くなりますが、試験は年に2回行われるので、合格点を得られなかった科目の対策をしっかりと行えば合格も見えてくるでしょう。長い目で見れば、十分に取得できる資格と言えます。
工事担任者の種類
前述した通り、令和3年度より新しい資格制度が導入されています。ここでは、それぞれの各資格の種類と合格率を紹介します。
第1級アナログ通信(旧:AI第1種)
第1級アナログ通信は、アナログ伝送路設備に端末設備を接続するための工事や、総合デジタル通信設備に端末設備を接続するための工事に必要な資格です。第2級と比べると、第1級の方が2科目多くなっています。
第1級アナログ通信の合格率は以下になります。
第2級アナログ通信(旧:AI第3種)
第2級アナログ通信は、伝送路設備に端末設備を接続するための工事(端末設備に収容される電気通信回線数が1つのものに限る)、また総合デジタル通信用設備に端末設備を接続するために必要な資格です。
第2級アナログ通信の合格率は以下になります。
第1級デジタル通信(旧:DD第1種)
デジタル伝送路設備に端末設備を接続するための工事に必要な資格です(ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備を接続する工事は除く)。
アナログ通信の試験と同じように、第1級の方が出題範囲は広くなります。たとえば、「IPボタン電話装置」や「IP-PBX」といった知識が必要になります。
第1級デジタル通信の受験科目数別の合格率は以下になります。
第2級デジタル通信(旧:DD第3種)
デジタル伝送路設備に端末設備等を接続するための工事(接続点におけるデジタル信号の入出力速度が毎秒一ギガビット以下であって、主としてインターネットに接続するための回線に係るものに限る)に必要な資格です。
ただし、総合デジタル通信用設備に端末設備を接続する工事は除きます。
第2級デジタル通信の合格率は以下になります。
総合通信(旧:AI・DD総合種)
アナログ伝送路設備、またはデジタル伝送路設備に端末設備を接続するための工事に必要な資格です。総合通信の資格を取得することで、全ての工事を担当できるようになるため、幅広く業務を担当していきたい方はこちらの取得を目指すのがおすすめです。
総合通信の合格率は以下になります。
工事担任者の資格を取得するメリット
ここでは、電気通信設備工事に欠かせない工事担任者の資格を取得するメリットについて紹介します。
技術力を証明できる
工事担任者の資格を保有することで、自身の技術力を証明できます。技術的な資格であるため、顧客先への営業にも有利に働くほか、信頼を得られやすくなるのがメリットです。
特に、最難関の総合通信の資格を保有しておくと、技術を活かせる場も広がります。
転職やキャリアアップのアピールにつながる
工事担任者の資格は、顧客先に技術力を証明するだけでなく、転職やキャリアアップのアピールにも活用できます。電気通信工事に必要な資格であり、技能を活かしながら業務に取りかかれるため、社内の評価も向上します。
また、通信インフラ関係の業界であれば転職時にも有利に働き、収入アップや規模の大きい企業への転職も可能です。将来的にもなくならない仕事であるため、生涯に渡って資格を活用できます。
ほかの資格取得に活かせる
工事担任者を取得することで、ほかの上位資格の取得に活かすことができます。たとえば、「情報通信エンジニア」の資格を取得するためには、工事担任者の「デジタル通信」または「総合通信」の資格を保有していなければなりません。
情報通信エンジニアの資格は、工事担任者の上位資格であり、現場での業務にも活かせられます。
工事担任者の資格を取得するための勉強方法
工事担任者の資格は、学科試験のみで実務試験が課されていません。基本的に、市販のテキストや問題集を活用することが主な勉強方法となりますが、未経験者の場合だとなかなか合格基準にたどりつかない可能性があります。
最適な勉強方法は、自身の得意科目と苦手科目を明確にしておくことです。工事担任者の試験は、各科目で合格基準に達する必要があり、苦手科目も真剣に勉強する必要があります。
また、試験は年に2回実施されているので、1回目と2回目で戦略的に試験を受験することも大切です。具体的には、1回目で得意科目を合格し、次回試験で免除にした上で、2回目の試験までに不得意科目を集中して勉強する方法も効果的です。
資格取得に向けて、自身に合った勉強方法を確立しましょう。
まとめ
工事担任者の資格は、電気通信工事に欠かせない資格です。令和3年度の試験からは、資格区分の分類と名称が変更になったほか、級別に記載されることで試験難易度も明確になりました。
直近6回の試験全体の平均合格率は38.9%と難易度自体はそこまで高くありませんが、専門的な資格であることから、継続的な勉強が必須です。特に第1級アナログ・デジタル通信や総合通信の一発合格を狙う場合は、かなり勉強に時間を費やす必要があるでしょう。
技術力のアピールや社内でのキャリアアップ、または転職活動を有利に進めるためにも、工事担任者の資格を取得を検討してみてはいかがですか。
また、建設業界で働く現場監督や職人が年収を上げていく方法については以下の記事で解説しております。
建設業の職人が年収を上げるには?転職・独立・副業それぞれのメリット・デメリットや向いている人の特徴とは
簡単すぎる!助太刀アプリであなたとピッタリの現場や発注者の見つけ方
こんな方におすすめ
独立・法人化のために仕事を増やしたい、事業を拡大したい、急な案件で人手が足りない、忙しくて協力会社が見つからない、
仕事がない、案件が過去のつながりに依存、同業者とつながりたい
アプリの使い方
1 最新の助太刀アプリを無料でダウンロードする
2 プロフィールを入れる
基本情報をていねいに入れる事であなたにピッタリな発注者を自動でおすすめします。
3 理想的な現場を見つけたら発注者とメッセージのやりとりをする
受発注の両方を利用することも可能
助太刀で理想的な環境を手に入れましょう!
【建設業で転職をお考えの方】建設業に特化した転職サイトをご紹介!
幅広い職種であなたにあった求人が見つかる!高収入、土日休みの企業も掲載!