建設業界は、ほかの産業に比べて年間労働時間が長く、休日が週に1日以下というケースもめずらしくありません(下図参照)*1。激務で疲労が蓄積し、思うように作業がはかどらないという日も、きっとあることでしょう。
そのようなときに頼りになるのが、エナジードリンクです。エナジードリンクには、眠気覚まし作用が期待できるカフェインや、エネルギー補給に役立つ糖分などが配合されているため、上手に利用すれば作業パフォーマンスの向上が期待できます。
しかしその一方で、エナジードリンクの過剰摂取は健康を損なったり、場合によっては命を失ったりするリスクすらあります。
そこで今回は、エナジードリンクの“功”と“罪”について知っていただき、おすすめできないダメな飲み方・体に害の少ない上手な飲み方を紹介します。
目次
エナジードリンクで起こりうる体の変化
最初に、エナジードリンクを飲むことで得られるメリット・デメリットを知っておきましょう。
メリット
エナジードリンクには、カフェインや糖分、ビタミン類などのほか、製品によっては人工甘味料なども添加されています。
それぞれの成分で期待できる作用は以下のとおりです。
★カフェイン
覚醒作用・疲労感の軽減・集中力の向上・脂肪燃焼作用など*2*3 |
★糖分
エネルギー源となる・集中力や判断力の向上・ストレスの緩和など*4 |
★ビタミンB群
エネルギー代謝を助ける・疲労をやわらげるなど*5 |
★人工甘味料
カロリー抑制・血糖値の急上昇をおさえるなど*6 |
デメリット
エナジードリンクを摂取するならば、デメリットも知っておかなければなりません。エナジードリンクを摂り過ぎると、体に以下のような症状があらわれるおそれがあります。
★カフェイン
不眠・めまい・動悸・興奮・不安・震え・下痢・吐き気・嘔吐など*7 |
★糖分
過剰摂取により、高血糖や肥満のリスクが高くなる*8 |
★人工甘味料
過剰摂取で下痢・軟便などが起きやすい*9 |
特に気を付けなければならないのが、カフェインの過剰摂取です。カフェインの摂取量が多くなり過ぎると、上記の症状だけにとどまらず、死に至ることもあります*7。
また、糖分の過剰摂取にも注意が必要です。WHO(世界保健機関)では、「1日に摂取する砂糖の量は25gくらいまでにとどめるのが望ましい*10」としていますが、エナジードリンクを1缶飲むだけでこの量を軽く超えてしまうこともあります。
さらに糖分の過剰摂取で高血糖状態が続いたり、カロリーオーバーで肥満になったりすると、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病を発症するリスクも高くなります。
「糖分やカロリーの摂り過ぎが問題ならば、シュガーフリーやローカロリーの製品を選べばよいのでは?」と思うかもしれませんが、そのような製品では多くの場合、人工甘味料が添加されています。
人工甘味料は、過剰摂取で下痢や軟便などの症状をまねくことがあります。また、人工甘味料を常用すると、耐糖能(血糖値を正常に保つ能力)の異常をまねき、糖尿病の発症・悪化のリスクが高くなることが指摘されています*6。
もちろん、これらのデメリットの多くは、エナジードリンクを過剰摂取した場合や常用した場合に起きるものであり、エナジードリンクのメリット自体を否定するものではありません。
では、デメリットを極力おさえ、上手にエナジードリンクを利用するにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。次の項では、エナジードリンクの「ダメな飲み方」と「上手な飲み方」を詳しく見ていきましょう。
エナジードリンクの「ダメな飲み方」vs「上手な飲み方」
まず、やってはいけないエナジードリンクの「ダメな飲み方」を紹介します。
エナジードリンクの「ダメな飲み方」
・飲み過ぎ
当然のことながら、過剰摂取は良くありません。健康を損なわないためには、カフェインの1日摂取量は400mgまで*11、糖分の1日摂取量は25gくらいまでにとどめておく必要があります。そのため、エナジードリンクの摂取量は、1日1本程度にとどめておくべきでしょう。
この点、「カフェインの量が少なく、低糖質タイプのエナジードリンクならば、もっと飲めるのでは?」と考える方もいると思いますが、カフェインや糖分はエナジードリンク以外の食品・飲料にも含まれます。気付かないうちにこれらを摂取している場合もあるため、やはりエナジードリンクは1日1本程度が適量といえるでしょう。
・カフェインを含む食品・飲料・薬との併用
カフェインは、コーヒーや茶類などにもかなり含まれています。また、コーラやチョコレートなどにも含まれていますし、風邪薬などに配合されている場合もあります*7。そのため、カフェインを含むこれらの食品や飲料などとエナジードリンクとの併用は、極力避けなければなりません。
「どうしてもエナジードリンクを飲みたい」という場合は、これらカフェインを含む食品などの摂取量を減らすようにしましょう。
・アルコールとの併用
エナジードリンクとアルコールの併用も避けるべきです。これは、エナジードリンクに含まれるカフェインが、アルコールによる機能低下(「酔っている」という感覚)を隠してしまうため、アルコールを飲み過ぎてしまうおそれがあるためです*7。
個人差はあるものの、カフェインの作用は約4時間続きます*3。したがって、エナジードリンクを飲んだあとにアルコールを飲む場合は、最低でも4時間は空けるようにしてください。
・午後遅い時間に飲む
仕事が終わったあと、疲れたからといって午後遅い時間にエナジードリンクを飲むのもおすすめできません。
先にも述べたように、カフェインの作用は4時間ほど続きます。そのため、午後遅い時間に飲むと寝つきが悪くなってしまいます。また、エナジードリンクから摂取した糖分のうち、消費しきれない分は中性脂肪などとして体内に蓄積されるため、肥満や生活習慣病の原因となります*12。
このようなことから、エナジードリンクは午後の遅い時間、特に寝る前などに飲むのはおすすめできません。
・休めないからエナジードリンクに頼る
「休めないから、エナジードリンクを飲む」というのも、ダメな飲み方です。
エナジードリンクによる疲労軽減作用は、一時的なものにすぎません。そのため、カフェインなどの作用が切れてくると、かえって疲労感が増します。
エナジードリンクを飲んでがんばったらしっかり休み、心身の疲労回復に努めましょう。
エナジードリンクの「上手な飲み方」
ここからは、エナジードリンクの弊害をできるだけおさえ、メリットを活かす飲み方を紹介します。
・朝食後や昼食後に飲む・午後の仕事を始める直前に飲む
朝食後にエナジードリンクを飲むと、カフェインや糖のメリットを得やすくなります。
特にカフェインによる覚醒作用や集中力の向上、糖によるエネルギー補給や集中力・判断力の向上などは、作業パフォーマンスをアップするうえで欠かせないものといえるでしょう。
ただし、食事代わりにエナジードリンクを摂るのはNGです。空腹時にカフェインを摂取すると、不快感や胃痛などの症状を起こすおそれがあります。また、空腹時に過剰な糖分を摂取すると、血糖値が急上昇してインスリン(血糖値を下げるホルモン)の過分泌をまねきかねません。
朝からエナジードリンクを摂りたい場合は、できるだけ朝食後に飲むようにしましょう。なお、同様の理由で、昼食後、特に午後の仕事を始める直前にエナジードリンクを飲むのもおすすめです。
・がんばったあとは休む
エナジードリンクを飲んでがんばったあとは、しっかり休むことも大切です。
たしかに、エナジードリンクを飲むと、一時的に疲労や眠気を感じにくくなります。しかし、実際に心身の疲労が回復するわけではなく、睡眠不足が解消されるわけでもありません。
次の日以降もがんばり続けるために、エナジードリンクと休息は必ずセットで考えるようにしましょう。
エナジードリンクの摂取タイミング
起床時 | × | カフェインの空腹時摂取は、胃腸障害を起こしやすい。 血糖値の急上昇をまねく。 |
朝食後 | 〇 | エネルギーの補充・集中力や判断力の向上などが期待できる。 |
朝食と昼食の間 | △ | 血糖値の高い状態が続くことになるため、あまりおすすめできない。 |
昼食後 | 〇 | エネルギーの補充・集中力や判断力の向上などが期待できる。 |
昼食と夕食の間 | △ | 血糖値の高い状態が続くことになるため、あまりおすすめできない。 摂取時間が遅いと、カフェインによる不眠をまねくおそれがある。 |
夕食後 | × | カフェインによる不眠のリスクが高い。 糖分の過剰摂取で肥満のリスクが高くなる。 |
就寝前 | × | カフェインによる不眠のリスクが高い。 糖分の過剰摂取で肥満のリスクが高くなる。 |
購入前に成分表示をチェックすることも大切
最後に、エナジードリンクの成分表示をチェックする際のポイントを紹介します。
エナジードリンクなど清涼飲料水の成分は、1本に含まれる「総量」ではなく、「100mLあたりの成分量」で示されているケースが多数あります。そのため、カフェインや糖分などの成分は、必ず総量を確認するようにしてください。
また、清涼飲料水のカフェイン含有量の表示は義務ではないため、表示されていない商品も多く販売されています*13。したがって、成分がはっきりしないエナジードリンクは、できるだけ購入を避けるべきでしょう。
さらに「〇〇ゼロ」「〇〇オフ」などの表示にも注意が必要です。例えば「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」という表示があっても、カロリーや糖質がまったく含まれないわけではありません。表示を過信するのではなく、きちんと成分をチェックする習慣を身に付け、本当に必要なものを購入するようにしましょう。
そもそも、エナジードリンクは常飲するものではありません。「あともう少しだけがんばりたい!」「これさえ終われば、休むことができる」というようなタイミングで飲むべきものです。エナジードリンクに頼り過ぎるのではなく、うまく活用して健康な毎日を過ごすようにしましょう。
以下の記事では頑張っている建設業の皆様のさまざまな悩みについて解説しております。
建設業でこんなお悩みありませんか?あなたに助太刀をおすすめする理由
*1
出所)国土交通省「政策・仕事>審議会・委員会等>第11回基本政策部会配布資料>資料 2 建設業界の現状とこれまでの取組」P.3
*2
出所)国立精神・神経医療研究センター「NCNP病院について>眠りと目覚めのコラム>カフェインと睡眠」
*3
出所)大正製薬商品情報サイト「ブランドサイト一覧>リポビタンシリーズ>疲れに効くコラム>カフェインの効果」
*4
出所)独立行政法人 農畜産業振興機構「砂糖>調査報告>その他>砂糖の適時・適正摂取は身体の働きにどのように影響するか」
*5
出所)大正製薬商品情報サイト「ブランドサイト一覧>リポビタンシリーズ>疲れに効くコラム>ビタミンB群の効果!不足すると疲れの原因に?」
*6
出所)地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所「食の安全>甘味料で糖質オフ?~甘味料のメリットとデメリット~」
*7
出所)農林水産省「消費・安全>リスク管理(問題や事故を防ぐ取組)>農林水産省が優先的にリスク管理を行う対象外の危害要因についての情報(有害化学物質)>カフェインの過剰摂取について」
*8
出所)e-ヘルスネット「栄養・食生活>賢く食べるためのコツ>嗜好飲料(アルコール飲料を除く)」
*9
出所)大正製薬商品情報サイト「大正健康ナビ>成分ガイド>人工甘味料(アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース)」
*10
出所)WHO「News>WHO calls on countries to reduce sugars intake among adults and children」
*11
出所)内閣府 食品安全委員会「食品安全委員会メールマガジン>【読み物版】生活の中の食品安全 -食品中のカフェインについて-その1 平成30年1月12日配信>≪参考≫食品安全委員会「食品中のカフェイン(ファクトシート)」P.7
*12
出所)e-ヘルスネット「健康用語辞典>栄養・食生活>炭水化物/糖質」
*13
出所)独立行政法人 国民生活センター「注目情報>発表情報>飲料のカフェイン含有量に関する調査-知らずに多く摂取していることも!?-」
文/中西 真理
・プロフィール:公立大学薬学部卒。薬剤師。薬学修士。医薬品卸にて一般の方や医療従事者向けの情報作成に従事。その後、調剤薬局に勤務。現在は、フリーライターとして主に病気や薬に関する記事を執筆。
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