TOP インタビュー トイレを通じて、清潔さの価値を世界に伝える。トイレ社長が目指す未来

トイレを通じて、清潔さの価値を世界に伝える。トイレ社長が目指す未来

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石和設備工業 代表取締役の小澤 大悟さんは、倒産寸前だった会社を父から受け継ぎ、利益を意識した経営を行うことで業績をV時回復させることに成功しました。(こちらの記事も併せてごらんください)

順調な経営が続く石和設備工業ですが、人手不足によって売上が頭打ちになってしまうという課題に直面します。

そこで、小澤さんは水道工事店として自社の採用ブランディングや建設業のブランディングのために、トイレを前面に打ち出すプロモーション活動を始めました。

売上が頭打ちに、課題は人手不足


小澤:利益を意識することで経営状況が改善され、業績は回復しましたが、年間の売上規模が1億円を超えたあたりで頭打ちになるようになりました。

赤木:原因はどこにあったんですか?

小澤:人手不足です、案件はあるし、利益率も高いのですが、施工できる人材が不足していることで売上が上がらなくなってしまいました。

赤木:人手不足は建設業の深刻な課題ですよね。

小澤:そこで、弊社では会社のブランディングに力を入れることにしました。

赤木:具体的にはどんなことを始めたんですか?

小澤:会社のユニフォームを新しくしたり、HPをリニューアルしたり、事務所をリノベーションしたりしました。これは見た目のブランディングの他にも、自分たちもセルフイメージを高めて、そのイメージに追いつけるようにしようという意図もあります。


アメリカンスタイルの事務所


天井には装飾されたトイレの蓋が

赤木:格好を変えると意識が変わるというのはありますよね。

小澤:そして何より、弊社の事業の一つであるトイレ事業を前面に押し出すようにしました。

赤木:トイレ事業を前面に押し出すのは斬新ですね。

小澤:例えば、綺麗に配管をしても、場所が天井や床下で隠れてしまい、人の目に触れることはありません。でも、トイレであればできあがりを色んな人に見せることができ、分かりやすく評価してもらうことができます。

赤木:確かに、トイレは色んな人が見ることができますね。

小澤:トイレは水道屋の聖域と呼ばれていて、新築で家を建てるときも便器だけは水道屋が受け持ちます。だから、トイレで面白いことをやって、自分たちの仕事を見てもらって、弊社に興味を持ってもらいたいと思ってトイレ事業を前面に打ち出しました。

幕張メッセの展示会出店

赤木:具体的には、どんな活動を行ったんですか?


小澤:「Kawaya-Bang」というトイレの広告サービスを打ち出して、幕張メッセのイベント総合EXPOに出展しました。

赤木:トイレの広告サービスは斬新ですね。

小澤:ですが、これはなかなかうまくいかず、現場担当者さんには面白がってもらいましたが、大企業相手となると本社会議で採用OKが出ずに終わってしまいました。やはり世間のトイレのイメージがあまりよくなく、打ち出し方を考える必要がありました。

トイレで集客ができる渋谷ヒカリエ、話題を集めるTHE TOKYO TOILET

小澤:そんな時に、ある建築家の方に渋谷のトイレに対する取り組みを紹介して頂き、衝撃を受けました。渋谷ヒカリエとTHE TOKYO TOILETです。渋谷ヒカリエには「ShinQs」というショッピング施設で、ここのトイレは既存のトイレの常識を遥かに超えるものでした。

赤木:そんなにすごいトイレだったんです?

小澤:「トイレではなく、『スイッチルーム』という位置づけで、『日常と非日常』、『ONとOFF』をテーマにしたトイレです。それぞれの階に設置されたトイレには独自のコンセプトがあり、エステサロンのような様相のトイレや、リゾート感あふれるトイレなど、工夫が凝らしてあります。」
(参照:トイレ野郎社長と建築家高橋真理奈が行く!トイレ研究珍道中【渋谷ヒカリエ】編

赤木:確かに、これは凄いですね。

小澤:今までは、買い物に来たついでにトイレに寄るのが普通でしたが、ShinQsのスイッチルームはトイレに行くためにShinQsに行くということもありえます。もうひとつの渋谷のトイレの取り組みは、公共トイレです。

赤木:公共トイレですか?

小澤:渋谷の公共トイレでは、THE TOKYO TOILETというプロジェクトが行われました。これは、トイレを日本の「おもてなし」文化の象徴として、世界で活躍するクリエイターが渋谷区の17箇所でそれぞれがプロデュースした公共トイレを設置するプロジェクトです。

(参照:https://tokyotoilet.jp/


七号通り公園トイレ(pixtaより)

赤木:たしかに、これはおしゃれですね。

小澤:THE TOKYO TOILETは映画の題材にもされる予定で、トイレがここまで人を惹き付けるものになるのかと思わされました。
そして、トイレで集客することができるというヒカリエの取り組みが何よりの驚きで、私自身もトイレの見方が大きく変わりました。トイレを整える事で売上が上がるという目線を持つことが出来た事が一番の収穫でした。今後私たちが展開するトイレ事業が世の中の役に立つんだというワクワク感は忘れられないですね。

(参照:https://goetheweb.jp/lifestyle/art/20220519-the_tokyo_toilet_movie

自社の敷地内に最先端のトイレを

小澤:渋谷のトイレ群を目の当たりにして思ったのは、「こんな最先端のトイレを地元の所沢にも持ってきたい」という気持ちでした。そこで、建築家さんと相談して、自社の敷地内にTHE TOKYO TOILETのようなオシャレで居心地の良いトイレを作ろうと考えました。

赤木:所沢の住宅地にこんなトイレがあったらインパクトありますね。

小澤:イメージしたのは恵比寿東公園のトイレのように、ベンチがあって、風が抜ける場所で、建築家さんと一緒に理想のトイレを作っていきました。公衆トイレ、休憩スペース、レンタルスペース、シェアサイクルのサイクルポートを兼ね備えています。また、free Wi-Fiも完備しています。

赤木:トイレを中心として、そこで心地よく人が過ごせるように設計されているんですね。

小澤:施設名は「インフラスタンド」とし、トイレが街のインフラとして機能するような願いを込めました。


インフラスタンドと石和設備の社屋

夜はトイレがライトアップされる

トイレを中心に集客できるイベント「KAWAYA市」に挑戦


小澤:魅力的なトイレができたところで、所沢市の町おこしのイベントを企画したいと思い、所沢周辺の魅力的なお店・クリエイターを集めた「KAWAYA市」というイベントを開催しました。

赤木:市場みたいなイメージですか?

小澤:それもありますが、キッチンカーやコーヒー豆の販売、雑貨販売など、トイレを中心とした地域活性化のお祭りのようなイメージです。

赤木:凄いですね。文字通り、トイレが地域の中心になってる。

小澤:KAWAYA市は2022年の11月と2023年の4月に開催しました。4月は11月よりも出店者も増えて、会場も拡大しました。


トイレを通じて、日本の持つ安全・清潔の価値を世界に

赤木:これから目指していきたいことはありますか?

小澤:日本の安全や衛生は世界でもトップレベルにあると言えます。日本の経済が低調でも、安全や衛生の価値を世界に広めることはできるはずです。

赤木:安全や衛生の価値は今後も高まっていきそうですよね。

小澤:一昔前までは私たち日本人でもトイレでマルシェなんて考えてもいなかった。ましてや公衆トイレの横で人がくつろぎ飲食をするなんて想像できなかったと思います。
トイレを通じて、そんな日本の安全や衛生の価値を世界に届けていければと思っていますし、自分たちが思っている以上に海外の方はこういった日本の文化に価値を感じていると思います。

赤木:凄く壮大な夢ですね。

小澤:他には、国内のトイレ環境ももっと良くしていきたいですね。例えば、女性はお祭りの仮設トイレに行くのに抵抗があったりしますし、建設現場の仮設トイレももっと綺麗になれば女性の職人さんも増えると思います。

赤木:確かに、女性のトイレ事情は課題が多いですね。

小澤:もちろん、お金をかければ綺麗なトイレを設置することもできますが、それではなかなか広まりにくい。ですので、ちょっとした工夫でトイレを綺麗にできるような機能を付加したりといった研究もしていきたいです。この記事を見てくれた方々からの協力や相談をお待ちしています 笑

[文/赤木 勇太]

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