TOP インタビュー 人手不足の時代だからこそ、「働きやすい現場」が最高の武器になる。

人手不足の時代だからこそ、「働きやすい現場」が最高の武器になる。

2025年7月31日更新

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「仕事の依頼はあるのに、頼める職人がいない」

人手不足、そして協力会社ネットワークの限界は、事業拡大を目指す多くの建設業経営者にとって、事業成長を阻む大きな要因となっている。

そのような状況下、協力会社との新たな関係構築を柱とし、売上7.5億円から10億円への成長を見据える企業がある。それが、大規模修繕工事を手がける株式会社イノベートである。

同社の強みは、協力会社を単なる数ではなく「質」で選び、対等なパートナーとして共に汗を流す姿勢にある。

なぜ、人手不足が叫ばれるなか、イノベート社では質の高い協力会社を確保できているのか。本稿では、その取り組みから、人手不足時代を乗り越える経営のヒントを探る。

株式会社イノベート 代表取締役 西野 直樹 氏

10代で建設業界に入り、シーリング職人として20年以上の現場経験を積んだ後、2014年に株式会社イノベートを設立。
「自分だけの力では何もできない」という経験から、「多くの人に助けられて自分が成り立っている」を信条とし、協力会社との対等なパートナーシップを重視した経営を貫いている。

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良い協力会社との出会いが、すべてを変える

「昨年の売上7.5億円から、今期は10億円を見込めるまでになりました。この成長の要因は、年間を通じて長く付き合える、本当に良い協力会社と出会えたことが大きいです」

西野氏は成長の理由をこう語る。

しかし、数年前は全く異なる状況にあった。繁忙期には5件から10件近い仕事を、人手不足を理由に断らざるを得なかった。

その背景には、「どこにどんな会社がいるのか分からない」というシンプルな情報不足があった。既存の人脈だけに頼るだけでは、事業の成長スピードに協力会社の開拓が追いつかなかったのである。

職人として現場に立ち、多くの仲間と一つの工事を完成させてきた西野氏は、誰よりもチームの重要性を痛感していた。だからこそ、会社の成長を次のステージに進めるため、新たなパートナーとの出会いが不可欠であると考えた。

協力会社選びの揺るぎない基準――「専門性」と「誠実さ」

新たな協力会社を選定する上で、西野氏が一貫して重視する基準がある。それは、相手が持つ専門性の高さだ。

「『何でもできます』という会社よりも、『塗装なら誰にも負けません』というように、一つの分野に特化している会社の方が信頼できます」

一つの分野を突き詰めている会社は、その仕事に対する知識や経験の深さが違う。それは最終的な施工品質に直結するだけでなく、自社の仕事に対するプライドと責任感の表れでもあると西野氏は考えている。

この専門性への強いこだわりこそが、そのまま仕事と顧客に対する誠実さの証明に他ならない。

技術が確かであること。そして、その技術に誇りを持ち、真摯に向き合っていること。イノベートがパートナーに求めるのは、共に責任を持って現場を創り上げる、プロとしての信頼性なのである。

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「選ばれる発注者」になるための2つの約束

良い協力会社と仕事をするためには、自社が「選ばれる発注者」でなければならない。イノベート社が協力会社との関係で徹底しているのは、相手への配慮である。

1.協力会社の職人がスムーズに業務を遂行できるよう、現場の段取りを丁寧に行う。

2.仕事が途切れることのないよう配慮し、年間を通じて安定した売上を確保できる体制を整えている。

この姿勢は「共に汗を流すパートナーが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることこそ、元請けとしての責任です」という西野氏の信念によるものだ。徹底したパートナーシップが「イノベートの仕事なら」と協力会社を引き寄せ、チーム全体の力を最大限に引き出している。

新しい出会いが、会社の「可能性」を広げる

こうした考えのもと、近年は「助太刀」のようなITサービスも積極的に活用し、新たな出会いの機会を広げている。

「多くの選択肢の中から、当社の条件に合致する会社を探せるのは非常にありがたいです」

従来の慣習に固執することなく、より良い方法を常に模索する柔軟さが新しい出会いを呼び込んだ。これまで対応が難しかった塩ビシート防水の専門会社とつながりを持てたことで、公共工事の入札にも積極的に参加できるようになった。

新たな出会いは、単なる人手不足解消のみならず、会社の可能性そのものを拡大する起爆剤となったのである。

おわりに

かつて機会損失に悩んでいた企業が、10億円の売上を見据えるまでに成長した。その変革の原動力は、協力会社と真摯に向き合うという、実直な姿勢であった。

「パートナーの専門性を尊重し、誠実に向き合う」「安定した環境を提供し、双方にとって利益となる関係を築く」「現状に満足せず、新たな出会いを求める」といった姿勢を、西野氏自身が信念として持ち、現場で徹底的に実践している点に価値がある。

インタビューの最後、西野氏は次のように語った。

「この20年間で学んだ最大のことは、多くの人に助けられて自分が成り立っているという事実です」

関わるすべての人への感謝と敬意。その積み重ねこそが、イノベート社の揺るぎない成長と信頼をもたらしているのだろう。

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