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2022.5.9

公共工事設計労務単価とは?令和3年度の改正ポイントや各職人の単価を解説

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公共工事設計労務単価とは、公共工事において、元請が施主である国に対して見積もりを出す際の単価の目安を指します。国が公共事業を発注する際に職人の単価の基準となる指標を指します。であり、公共工事における「建設労働者の賃金単価」を指します。
そのため、公共事業の工事費の積算費用算出で利用されることがあります。もちろんのこと、自社の単価と市場価格との開きを調べるために利用されることもあります。企業が、自社の労働者の単価を比較する際にも利用されることがあります。

今回は工事設計労務単価の改正ポイントや工事設計労務単価における各職人の単価を紹介していきます。参考に自社の単価を見直してみましょう。
【参考】国土交通省 令和4年3月から適用する公共工事設計労務単価について

公共工事設計労務単価とは


公共工事設計労務単価とは、元請が施主である農林水産省・国土交通省に対して見積もりを出す際の単価の目安であり、施主が公共工事を発注する際に、工事費の算出に使用される建設労働者の単価の目安になります。

この公共工事設計労務単価は以下の4つで成り立っており、この内容は毎年10月に行われている「公共事業労務費調査」の結果によって決められています。

・所定労働時間8時間あたりの基本給相当額
・所定労働時間8時間あたりの基準内手当(家族手当や通勤手当等)
・所定労働日数1日あたりの臨時給与(ボーナス等)
・所定労働日数1日あたりの実物給与(食事の提供等)

調査では上記を調べるほかに、公共工事の仕事をする建設労働者の賃金を都道府県別・職種別に調べます。

そのため、令和3年3月に改訂される公共工事設計労務単価は、令和2年度の公共事業労務調査の結果に基づいて決定されます。

公共工事設計労務単価 全職種平均の推移


国土交通省が公表した全国の全職種平均(単純平均値)によると、2020年度から1.2%の伸びを示しました。

令和4年3月から適用する公共工事設計労務単価について/国土交通省

必要な法定福利費相当額を加算するなど単価算出手法の変更に伴い大幅に増加した2013年度から数えて9年連続の上昇になっています。

国土交通省が公表したプレスリリースは下記を参照ください。

令和4年3月から適用する公共工事設計労務単価について/国土交通省

なお、全職種平均金額(加重平均値)は20,409円で1997年度以降から発表している単価の最高値も更新しました。

2021年は新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、前の年を下回った単価は据え置きにする特別措置を実施しています。

また、直轄工事は3月1日以降に契約する案件から適用しています。

これは2020年度第3次補正予算など公共事業の円滑に進めることを目的としており、通常は4月改定を前倒しする動きもあります。

先ほど紹介したとおり、新型コロナウイルス感染症で特別に制定された前の年を下回った単価は据え置きにする特別措置によって1.2%の伸び率になっています。

しかし、全体の地域と職種の42%が2020年から比べてマイナスのため特別措置の対象です。

そのため、特別措置がなければ全職種平均の伸び率は0.4%にとどまる結果でした。

令和3年から適用される公共工事設計労務単価のポイント


前述でも紹介している通り前年の公共事業労務費調査に基づいて公共工事設計労務単価は決定されます。

令和3年から適用される公共事業設計労務単価も令和2年度の公共事業労務調査に基づいて制定されています。

改定後の単価のポイントは以下の通りです。

(1)今回の決定により、全国全職種平均で2020年から比べて1.2%引き上げられることになります。
(2)また、必要な法定福利費相当額を加算するなどの措置を行った平成25年度の改定から9年連続の引き上げになりました。そのため、全国全職種加重平均値が20,409円になります。
(3)労務単価には、事業主が負担すべき人件費(必要経費分)は含まれていません。

よって、下請代金に必要経費分を計上しない、または下請代金から値引くことは不当な行為です。

【職種別】主な建設業の職人単価


ここでは、建設業に携わっている主な職人の令和3年3月から適用する公共工事設計労務単価を紹介していきます。

職人単価を調べるときに参考にしてください。

型枠工

型枠工とは鉄筋コンクリートの建物を建てる場合、「型枠」を組み立てコンクリートを流し込んで固めていきます。

その際の枠を作る職人のことを呼び、鉄筋コンクリートの建物を建てる場合には不可欠な存在です。

型枠工の職人単価は宮城県の34,000円が最高で島根県、山口県の21,000円が最低でした。

大工

大工とは、主に木造建築物の建築を行う職人のことです。建築業界の職人で最もポピュラーな仕事の1つです。

また、大工は各職人または工事全体の長を指す場合もあります。大工の職人単価は宮城県の29,600円が最高で、福井県の21,300円が最低でした。

左官

左官とは建築工事において、壁塗りやタイル貼り、レンガ積み、床仕上げなどを専門的に行う職人です。

土やコンクリート、漆喰などを塗って壁や床、天井を仕上げていくため、一定の技術力が必要とされる職業です。

左官の職人単価の最高は宮城県の30,500円で最低は島根県の19,900円でした。

配管工

配管工とは生活に必要なライフラインの設備を担当する職人です。ライフラインを扱うため、分野は多岐にわたり給排水やガス、空調も含まれます。

専門的な知識や経験が必要とされる職種ですが、専門性も高いためやりがいを感じることができる仕事です。

配管工の職人単価は東京都の23,500円が最高で、高知県の18,500円が最低でした。

はつり工

はつり工とは、コンクリートやアスファルトを削ったり、切ったりする工事などを行う職人のことをいいます。

マンションなどの鉄筋コンクリートでできている建物では活躍する職人で、ほかにも解体工事なども請け負います。

はつり工の職人単価は三重県と静岡県の25,600円が最高で、鳥取県と岡山県の21,800円が最低でした。

サッシ工

サッシ工とは、住宅などの建物にサッシやドアを取り付ける職人のことです。

取り付け場所の位置や高さを合わせてサッシやドアの枠の建て込みから、溶接やモルタルで固定も行います。

ほかにも、窓サッシやドアなどの取っ手や金具の取り付けも行います。

サッシ工の職人単価は宮城県の28,900円が最高で、島根県、岡山県、広島県、山口県の20,000円が最低でした。

ガラス工

ガラス工とは、建物の出入り口や窓などにガラスを張り付ける職人のことをいいます。

特にマンションや学校、施設など大きいガラスがあるところで作業をすることが多く、需要の高い職業です。

高層ビルなどで作業することも多く、高所などの危険な場所で作業をすることも多い職人です。

ガラス工の職人単価は長野県の25,900円が最高で、徳島県、香川県、愛媛県、高知県の21,100円が最低でした。

建具工

建具工とは玄関のドア、障子やふすま、サッシや雨戸など建物の出入りや換気などの開閉する場所に取り付けられている建具を取り付ける職人のことです。

建具は建物には必ずといっていいほど使用されているため、需要の高い仕事の1つです。

建具工の職人単価は長野県の24,500円が最高で、岡山県と広島県の17,800円が最低でした。

内装工

内装工とは、室内を施主のイメージに沿って仕上げていく職人です。主にクロスや床などの仕上げ作業を行うことが多くあります。

建物の最終仕上げを担当するため、建物内の雰囲気やクオリティを左右する重要な職種で技術力が問われる職業でもあります。

内装工の職人単価は静岡県の31,800円が最高で、沖縄県の20,200円が最低でした。

令和3年2月にリリースされた国土交通省の建設業の職人単価について、詳しくは下記を参照ください。
令和3年3月から適用する公共工事設計労務単価について/国土交通省

まとめ

今回紹介した公共工事設計労務単価は、職人の賃金単価を決める重要な指標の1つです。一般的には公共事業の単価計算に使用されますが、建設業の事業を営む上で、自社の単価の水準を測る目安として、参考に押さえておくのはいかがでしょうか。

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