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2022.3.18

基礎工事とは?工程や役立つ資格、年収・単価などを紹介

2022年3月18日更新

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建物の土台部分を作る「基礎工事」は、建設現場において必要不可欠な工事です。基礎工事がしっかりとしていないと、住宅が傾いたり、倒壊したりする恐れが出るため、基礎工事は正しい手順で進める必要があります。

そこで今回は、これから基礎工事の仕事を始めようとお考えの方向けに、基礎工事の重要性や工程を解説するとともに、基礎工事を行う職人さんが持っておくとよい資格、基礎工事を行う職人さんの年収をご紹介します。

基礎工事とは

基礎工事とは、建物を建てるときの土台部分を作る工事のことを指します。土地と建物をつなぐ役割があるため、建設作業の中でも重要な工程の1つです。

建物の基礎は、建物の荷重などの力を地盤に伝え、地盤沈下や変形に耐えられる構造でなくてはなりません。

そのため、基礎工事の前には地盤調査を行い、土地の性質に合わせて正しい工法を選んで工事を進めていきます。

基礎工事の重要性・役割

基礎工事をしっかりと行わないと、建物が傾く原因となるだけでなく、最悪の場合は建物が倒壊する恐れがあります。そのため、高い技術と知識が求められる重要な工事となります。

まず、基礎工事に入る前に、軟弱な地盤を改良する「地盤改良」があります。基礎の下が安定していない場合、まずは地盤を安定化させる地盤改良が必要になります。地盤改良には様々な工法があります。例えば「表層改良工法」と呼ばれる、土を掘って土と強固剤を混ぜ合わせる事で地盤を強化する方法や、「杭工法」と呼ばれる、基礎の下にスパイクのように棒状の柱を突き刺し、柔らかい地盤を補強する工法などがあります。

【参考】株式会社セリタ建設 :suumo

そして基礎工事の中にも直接基礎と呼ばれる基礎工事の種類があり、「ベタ基礎」「布基礎」「独立基礎」に分類され、それぞれ役割が異なります。

【参考】三井住友トラスト不動産

ここでは、それぞれの基礎工事の種類について解説します。

杭基礎

地盤調査を行った際に地盤が軟弱であると判断された場合、直接基礎工事を行っても建物が安定しません。そのため、固い地盤まで届く長い杭を打つことで建物を安定させる「杭基礎」という工法が採用されます。

この時に使用される杭は支持層まで到達させるか、支持層がない場合は杭側面の摩擦で支える摩擦杭のどちらかの杭が選択されます。実際にどちらを使用するかは、地盤調査の結果をもとに判断することになります。

また、杭基礎が固い地盤まで打ち込むのは、建物を安定させる以外に、地震による液状化を防ぐ効果もあります。

【参考】建築学生学ぶ構造力学

1. ベタ基礎

ここからは直接基礎についてご紹介します。まずはベタ基礎です。
ベタ基礎は、床下全体にコンクリートを流して行う基礎工事のことです。

この工法は、建物を地面全体で支えることができるため、地震に強いというメリットがあります。また、湿気やシロアリの侵入に強い事もメリットです。
多くのコンクリートを使う為コストが高くなりやすいですが、他の工法に比べて手間が少ないため、一般的な工法の1つとなっています。

【参考】suumo

2. 布基礎

布基礎は、木造住宅で古くから使用されている工法です。

ベタ基礎と同様にコンクリートで住宅を支えますが、支える面が狭く、コンクリートの厚さもベタ基礎より薄くなります。
これにより、コンクリートの使用量が抑えられるため、コストを抑える事ができますが、耐震性や湿気・シロアリの侵入を考えるとベタ基礎より劣ると言えるでしょう。

【参考】suumo

3. 独立基礎

独立基礎とは、柱の下にのみ基礎を独立させる工法です。柱の下にのみ基礎を作る為、コストが低くなるというメリットがありますが、ベタ基礎や布基礎と比較すると基礎の面積が狭くなり、耐震性の面で劣ってきます。その点については柱の下の基礎部分を梁で繋ぐなどする対策が取られます。

【参考】株式会社増山工務店

基礎工事の工程・流れ

基礎工事は建物の建築において重要な工程になるため、正しい工程で作業を行う必要があります。

ここでは、基礎工事の工程をステップ別に解説します。

1. 地縄張り・遣り方工事

地縄張りとは、建物を建てる範囲を示すために、基礎の外周に縄やロープを張っていく工程です。住宅の建築工事の初めに行うもので、敷地内における建物の配置を示していきます。
この作業で基礎を打つ範囲を作業者に伝える役割があるため、正確に行っていかなくてはなりません。
参考に、こちらの動画では地縄張りの様子について紹介されています。
工事着工前に必ずやるべきこと。「地縄張り」
【参考】
YouTubeチャンネル:大工チャンネル
また、建物の周りに杭を打って基礎の高さを示す工事を遣り方工事と呼びます。建物の位置や基礎の高さ、水平などを決める工程であり、地縄張りの外側に杭や板を張っていく作業を指します。
これらは新築の一戸建ての場合は半日〜1日かかり、マンションやビルなどの大規模の建物になるほど時間がかかります。
参考に、こちらの動画では地縄張りの様子について紹介されています。

【参考】
YouTubeチャンネル:大工のはじめ

2. 掘削工事

掘削工事は重機を使用して基礎の地盤まで土地を掘り返し、砂利を敷き詰めて地盤を固める工事です。建物の荷重を基礎から地盤に均一に伝える事が目的です。
マンションやビルなどの場合には、掘削工事の途中に建物周辺の地盤が崩れないようにする山留工事も行います。山留め工事とは、地盤を掘削する際に周囲の地盤が崩れないように保護する工事であり、地中にH型鋼を埋め込んで矢板と呼ばれる板をはめ込む「横矢板工法」(親杭とも呼ぶ)が一般的です。
参考に、こちらの動画では掘削工事の手順について紹介されています。

【参考】
YouTubeチャンネル:​​​​Koumuten Wada

3. 捨てコンクリートを流す

転圧が終わった砕石の上に防水シートを敷き、基礎全体にコンクリートを流していきます。
この時に流すコンクリートを「捨てコンクリート」と呼び、建物の位置を間違えないようにする目的や型枠・配筋の下地とする目的、高さの基準を出す目的があります。
参考に、こちらの動画では掘削工事の手順について紹介されています。

【参考】
YouTubeチャンネル:株式会社青木工務店

4. 配筋

基礎となる部分に鉄筋を組む作業を配筋と呼びます。鉄筋を格子状に組み、結束線と呼ばれる細い針金で結びつけていきます。これはコンクリートを流す際に鉄筋がずれないようにする為です。鉄筋を組むことによって、コンクリートの弱い部分を補強する事ができます。
参考に、こちらの動画では配筋の手順について紹介されています。

【参考】
YouTubeチャンネル:三協建設

5. 型枠を組む

次の工程は型枠組みです。型枠工事とは、型枠と呼ばれる合板を組み立て、コンクリートを流し込み成形するための枠を作っていきます。
建物の強度や耐震性を左右する重要な作業であり、一つ一つの建物で異なってきます。
参考に、こちらの動画では型枠組みの手順について紹介されています。

【参考】
YouTubeチャンネル:さくら部しょ【岡山県YouTuber】

6.コンクリートを流し、仕上げ

いよいよコンクリートを流して基礎を作っていきます。まずはベース部分にコンクリートを流し、そこから立ち上がり(床から垂直方向に立ち上がった部材)の型枠にコンクリートを流し込み、建物の土台にしていきます。
新築一戸建ての場合は、外周型枠工事に1日、ベース部分のコンクリート打設に2〜3日、内部型枠工事に3日を要します。マンションの場合は、階数によって異なりますが、外周型枠工事に大体17日間ほどかかり、コンクリート打設に5日以上、内部型枠工事に15日間かかります。
コンクリートが乾いて強度がでたら、型枠を外して仕上げを行います。
参考に、こちらの動画ではコンクリート流しの手順について紹介されています。

【参考】
Youtubeチャンネル:ニッカちゃんねる【新築&リフォーム】

基礎工事に役立つ資格

資格を持っていなくても基礎工事を行うことは可能ですが、資格を取得することで自身のスキルを高め、現場でも活かすことができます。また、資格を保有していると社会的な信用にもつながるため、社内で重要なポジションに就いたり、独立したりする際には役に立つでしょう。
ここでは、基礎工事で役に立つ主な資格を紹介します。

基礎施工士

基礎工事の代表的な資格といえば、基礎施工士が挙げられます。民間資格ですが、この資格を保有することで、場所打ちコンクリート杭工事の施工管理者としての技能を持っていることを証明することができます。

基礎施工士の試験は、一般社団法人 日本基礎建設協会のホームページから申し込むことができます。

一般社団法人 日本基礎建設協会

玉掛け技能講習

玉掛け技能講習は、クレーンなどの重機を使用する際に必要な資格です。

吊り荷に玉掛けをすることができるようになりますが、基礎工事だけでなく建設現場において有効な資格です。

会社によっては最初に取得する資格になります。

建築業労働災害防止協会 「玉掛け技能講習」

基礎工事を行う人の年収・単価

基礎工事は行われる工法によって単価が変わってきますが、一般的に住宅は「直接基礎」で工事を行うことが多いです。

この場合、坪単価は40,000円~130,000円程度が相場になりますが、このように幅があるのには理由があります。なぜなら、建物や土地、基礎の工法、条件など、基礎工事はまったく同じ条件で行われることがないため、相場を決めにくいという特徴があるからです。

一般的には、総工事費の7%~10%ぐらいが相場といわれています。

【参考】比較biz

そんな基礎工事を主に担当する職人さんの年収データは公表されていませんが、作業は大工(年収平均 約430万円)や土工(年収平均 約401万円)が行うこともあるため、年収は大体400万円前後といえるでしょう。

厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査

しかし、基礎工事の仕事は専門性が高いため、突き詰めることで年収を増やすことは十分に可能です。資格を取得してキャリアアップにつなげてみたり、一人親方として独立したりすることで、さらに年収を上げることができるでしょう。また、独立後に法人化する事でお仕事の規模拡大を狙える可能性もあります。

まとめ

建設現場において基礎工事はなくてはならない工程の1つということが分かりました。基礎工事を疎かにすると、欠陥住宅になってしまう可能性もあるので注意が必要です。

基礎工事は責任も大きく、重要な役割を担うため、建物が建つ限り仕事がなくなることはありません。
今後のお仕事の選択肢として、基礎工事を入れてみてはいかがでしょうか。

また、建設業界で働く現場監督や職人が年収を上げていく方法については以下の記事で解説しております。

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