TOP おしごと CLT工法とはなに?需要が高まる理由やそのメリット・デメリットを解説

CLT工法とはなに?需要が高まる理由やそのメリット・デメリットを解説

記事をシェアする

ヨーロッパで生まれたCLTは、近年日本でも急速な伸びを見せています。特に、断熱性や壁式構造を活かした戸建て住宅、中高層に用いられることが多いようです。

今回はCLT工法の特徴やメリット・デメリットについて紹介します。オフィスや自宅に利用する際にはしっかりと理解・検討をして進めていきましょう。

建設業界で
転職したい

詳しくはこちら
 

建設業界で社員を
採用したい

詳しくはこちら

CLT工法とは

CLTとは「Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)」の略称です。ひき板(ラミナ)を並べたものを繊維方向が直交するように積層させた木質系材料で、JASでは直交集成板と呼ばれています。

CLTはオーストリアを中心に1990年代から発展、現在では全世界で利用されています。

木材を直交させているため、寸法の安定性が高いのが特徴です。また、厚みもあるため断熱性に優れ、壁式構造の戸建て住宅や中層建築物などに用いられています。

日本では2013年12月に製造規格となるJASが制定、2016年4月にCLT関連の建築基準法が公布・施行され、利用がスタートしました。

CLT工法の特徴


CLT工法は建物の構造躯体としてだけではなく、様々な特徴があり現在注目されている工法の一つです。

ここではCLT工法の特徴について紹介していきます。

工期が短い

一般的なRC造は湿式工法のため、コンクリートに強度が出るまでに1か月近く時間が掛かってしまいます。

しかし、CLT工法ではCLTパネルを引きボルトなどで固定してすぐに次の作業に移ることが可能です。

さらに、パネルは大きな面材のため、部品点数を少なくできるうえに工場で加工して現場では組み立てるだけなので、外装に掛かる時間を短縮することができます。

実際、日本CLT協会は6階建ての住宅でRC造と比べると3か月ほど納期を短縮することができると発表しています。

イメージの参考としてこちらの動画をご紹介します。こちらは京都大学生存圏研究所の実験動画で、CLT工法の建物を施工する様子が収められています。明確な工期は記載されていませんが、効率的に建物ができあがっている様子がわかります。

中低層向けのデザインに向いている

マンションや中低層向けの建物は箱型の建物が多くなってしまいます。

CLT工法であれば面材のパネルを組み合わせて建築を進めていくため、面白いデザインを作りやすいと注目されています。

また、木目が見える材料なので木のぬくもりを感じる落ち着いた空間も演出しやすいことも特徴の一つです。

ほかにも、CLTはコンクリートや鉄を製造する時と比べてエネルギー量が少なくて済むため、CO2の発生量を抑えることができます。

そのため、環境問題に取り組んでいる企業や関心がある人にとっても、興味深い材料になるでしょう。

耐震性・耐火性に優れている

CLT工法は耐震性・耐火性に優れた材料です。

まず、CLTは剛性が高い素材として有名で、震度6強の地震を想定したテストでは他工法は変形や歪みが発生して使用不可まで大破しました。

しかし、CLT工法は変形こそ起こりましたが、地震後も使用可能という結果が出ています。

イメージの参考として一つの動画をご紹介します。こちらも京都大学生存圏研究所の実験動画で、CLT工法で作った5階建の建物に振動を加えたものです。建物は目立った損壊もなく、振動を加える前と同じ姿のままです。

次に耐火性については、CLTは木材なので燃えやすいというイメージを持たれがちですがそうではありません

木は燃えると表面が炭化するため、耐火皮膜ができて燃え進むスピードが遅くなります。CLT工法にも設計の仕方によって同様のことが起きるため、燃えにくくなります。

実際、鉄骨の建物が10分ほどで燃え落ちたのに対して、CLT工法は30分経過しても倒壊しなかったというテスト結果も出ています。

このようにCLT工法は耐火性・耐震性に優れていることがわかります。また、木造は鉄筋と比べて耐用年数が短いとされていますが、実際にはCLTを取り入れるなど、設計や施工次第で長寿命化も期待できるでしょう。

CLT工法の課題


CLT工法は良いことばかりに感じますが、当然デメリットや課題は存在します。CLT工法を採用する前にしっかりと課題にも目を向けることが重要です。

ここでは、CLT工法の課題について紹介をしていきます。ぜひ、参考にしてCLT工法の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

コストが高い

CLT工法はまだ新しい工法のため、RC造やS造に比べて材料や技術のコストが高いことが度々問題になります。

工法が確立されている他工法と比べると、経験のある建築士や施工会社が少ないこともコストが高くなる理由の一つでしょう。

ほかにもCLT工法はデータが少ないことから、安全性などを現場で確認しながら進めていく必要があります。

そのため、時間が掛かってしまい、コストが上がる原因にもなってしまいます。特に中高層を合理的に作るためには、工法の確立が重要となるかもしれません。

しかし、CLT工法には国や都道府県からの補助金が充実しているため、上手く補助金を活用することで他の工法と同じ予算で建てることも場合によっては可能です。

構造設計時には注意が必要

前述の通り、CLTはまだまだ新しい工法です。そのため、設計をする人間も少ないのが実情です。

特に、地震や火災時の防耐火設計は専門性が高く、CLT構造材を使った防耐火設計は研究開発が必要といわれています。

そのため、昨今ではRC造やS造で壁や床にはCLTパネルを使用するといった混構造も増えています。

CLTの今後


CLTは注目を集めている工法のため、国や自治体・企業など様々な団体が利用をしています。

ここでは、CLT工法の取り組みについて紹介をします。

大阪・関西万博日本館で活用

大阪・関西万博の日本館でCLTを活用することが決まりました。

会議で岡田内閣官房副長官は「今後のプロジェクトとして、大阪・関西万博日本館でCLTの活用を進めるプロジェクトを推進していきたい」と語りました。

さらに、2021年~2025年度の普及に関するロードマップを政府内で共有して、「CLT建築物等の整備の促進」「コスト改善」などの課題も浮かんでいます。

特にコスト面では、製造施設の整備を急ぎ、年間50万立法メートルのCLT生産体制を目指してコスト面のデメリットを解消する動きもみられています。

民間企業の技術開発

民間企業でも木造の中高層建築を後押しする動きとして、技術的にCLT構造物を採用する動きが加速しています。

例えば、三菱地所の「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」は2021年10月に開業して国内初の木造とRC造を組み合わせた建築物として注目を集めました。

この建物は、国土交通省のCLT工法等先導的な設計・施工技術が導入される建築物の木造化プロジェクトに採択されています。

さらに三菱地所は、建築用木材の製造・施工・販売といった統合型ビジネスモデルを構築する会社を設立。将来的にCLT工法とRC造・S造など複合化して、中層から高層建築化への展開を進めています。

このような動きは他社でも活発にみられており、様々な企業がCLT工法を採用してビジネス化の動きを進めています。

これは大手企業だけではなく、地域工務店でも始まっているため、今後はCLT工法を利用した建物が増えていく可能性があるでしょう。

政府も積極的に推進

様々な取り組みによりCLT工法は徐々に認知度を高めています。しかし、普及をするまでにはクリアしなければならないハードルがまだまだあります

2016年に建築基準法に基づく告示・公布をしたのもCLTの普及促進の取り組みの一つでした。

加えて、CLT活用のために2020年までのロードマップを作成し、さらなる促進を進めています。

例えば、設計者や施工者を対象に講習や研修を行い、地方にもCLT工法を広めています。また、CLT生産控除の整備を行いコスト削減にも取り組んでいるのです。

このようにCLTは民間や自治体だけでなく、国も注目を集めている工法なので、今後増えていくと考えられています。

まとめ

今回紹介した通り、CLT工法は様々な人たちに注目をされています。そのため、今後その需要が増えてくることは間違いないようです。

CLT工法はメリットが多く、積極的に利用して工期の短縮やデザイン性の向上を図っていきたいものです。

しかし、デメリットや課題も多くあります。そのため、導入する場合にはメリットだけでなくデメリットもしっかりと理解したうえで利用することが重要です。

アプリ利用者増加中!全国17万人以上の職人・工事会社とつながれる

・17万人以上の職人、工事会社とつながりを増やして事業の幅を広げる
・助太刀アプリに会社プロフィールを掲載して理想の職人・工事会社と効率的にマッチング
・全国の事業者とつながる事で活動エリアを拡大

助太刀法人向けプランの詳細はこちら ▶︎

助太刀では条件に合った
ぴったりの職人や工事会社と出会える!

無料で使える!まずはアプリをダウンロード
各ストア「助太刀」で検索!

条件に合ったぴったりの職人や
工事会社と出会えるアプリ

無料で使える!
まずはアプリをダウンロード

App Store Google Play