送りは、釘を打ったり、木材を並べたりするときの間隔などを指しています。ピッチともいいます。また、建築用語の中には「付送り」や「持送り」という言葉があります。

付送りは、左官で仕上げる際に実施される下地処理のことです。凹凸が激しくなってしまうと、仕上げ材の厚みが大きくなるというデメリットがあります。さらに、内部応力が大きくなれば、ゆがんだりはがれ落ちたりするケースも出てきます。そのため、一定の厚みにするために下地処理が必要です。ただし、付送りの厚みの限界が9mmとされているため、9mm以下に収めなければいけません。加えて、だれることを防ぐ目的でアンカーを打ったり、ラス網を貼り付けて施工する必要があります。

また、持送りは石などでつくられた張り出したものを支える部材、あるいは工法のことです。壁や柱から水平に突き出させて、上部の壁や柱から張り出している棚や出窓などを支えます。構造自体は新石器時代から使用されています。たとえば、スコットランドのゴシック・リヴァイヴァル建築なども該当します。簡素な構造だけではなく、人間、動物、架空の生き物の頭部をモチーフにした持送りも見られます。イタリアなどではバルコニーを支える目的の持送りに彫刻を施したものが多い傾向にあります。