asrとは、アルカリシリカ反応の略で、コンクリートの劣化要因の一つを指します。コンクリートは内的、外的要因によりひび割れ等を生じることがあり、その要因は、塩害、中性化、凍害、asrの四つに分類することができます。

アルカリシリカ反応はコンクリートの構成物に含まれている、セメント中のアルカリ成分と骨材中のシリカ成分が反応することで骨材が膨張し、それによって構造物の体積が増加しひび割れを発生させます。このasrによって生じるひび割れは比較的大きく、構造物に大きなダメージを与えます。

またコンクリートのひび割れ以外にも、骨材の膨張により内部の鉄筋が圧迫され曲げ加工部分や圧接部分での破損も確認されています。asrによるひび割れが生じたコンクリートはその劣化状況によりいくつか補修工法がありますが、このasrは再劣化を生じる事例も確認されているため、損傷の程度が大きいときには大規模な修繕ややり替えが必要となります。