比重とは、ある物質の同じ体積の水(4℃時)に対する重さの比率を表すものです。配合によって前後しますが、普通コンクリートの比重は約2.3です。この数値を知ることで、コンクリート製品や塊のおおむねの重量が計算できます。

ただし、比重に関わる情報を発信する場合、比重そのものを表現するのではなく、2.3t/m3のように「単位容積質量」や23kN/m3のように「単位体積重量」で表示するのが一般的です。また近年では「比重」に代わり「密度」と呼ぶことが多くなっています。
比重は、流動的な状態でも凝固した状態でも大きく変化しません。主要材料のひとつである水は蒸発するのではなく、化学反応によって他の材料とともに凝固するからです。

また比重は設計基準強度の大きさで変化します。設計基準強度が大きいものは、重い材料であるセメントや骨材を多く使用するため比重が大きくなります。反対に、軽量コンクリートでは、密度の小さい骨材を用いるので比重は小さくなります。
工場から現場に提出される配合計画書からも比重を読み解くことができます。ここには、設計基準強度、呼び強度、適用の期間といった項目の他に各材料の重量が記載されています。

たとえば、1m3あたり、セメント:275kg、水:158kg、細骨材➀:459kg、細骨材②:326kg、粗骨材➀385㎏、粗骨材②696㎏、混和剤3㎏と記載されていれば、合計が2302㎏ですので、比重が2.3であることが分かります。