「先付け工法」とは、サッシや扉の構造体(躯体)への取付け方法の一つで、先付け工法の他、後付け工法、PC打込み工法があります。

先付け工法は、鉄筋コンクリート造、または鉄骨鉄筋コンクリート造の建築工程の中で、予めコンクリート型枠に対してサッシ等(建具)を補強枠で固定し、コンクリートを打設する工法です。

水密性が高く、サッシ取付けのための専用工程を省略できることが長所となります。一方で、サッシ等を固定する補強枠の材質(木製、鋼製等)とコスト、型枠解体時の補強枠との干渉回避策の計画と調整、先付けした建具が破損や変形、ズレが生じた際の対処が大掛かりになることが短所となります。

また、補強枠の材質を木製とした場合には、施工上の柔軟性が高まりますが、再利用の回数については限界があります。鋼製等の場合は再利用が容易となりますが、製作コスト、保管、管理、運搬の手間が課題となります。

後付け工法には、湿式工法と乾式工法があり、一般的には湿式工法が利用されています。構造体(躯体)に墨出しによってサッシ等を所定に位置へ配置し、クサビや治具で固定した後にアンカーを溶接して留め付けた上でモルタルを充填します。

また、乾式工法は、先付けインサートやファスナーにボルト締めやビス留め、または溶接固定しモルタル充填を施さない方法です。

プレキャストコンクリート打込み工法は、PC工場内作業となり、アンカープレートを取り付けたサッシ等を型枠の所定位置に固定させてコンクリート打設を行い、PC版と一体構造化させます。