ワニスとは、熟字訓(当て字)で仮漆(かしつ)と表現され、コハクやロジンなどの天然樹脂、アルキド樹脂やポリウレタン、一夜性熱や紫外線硬化を行う化学反応系のエポキシ樹脂である合成樹脂と各々溶剤を混合させ、溶剤が蒸発後に化学重合反応することによってワニスが硬化し、塗布表面が保護されて光沢を持つ硬度の高い上塗り剤のことを指します。

ワニスが乾燥して生成された被膜は湿気を防ぐため、木製建具の仕上げ塗装や建築物木部塗装の下処理などに使用される他、耐酸性、耐アルカリ性、電気絶縁性にも優れるため車両、船舶などの塗装にも用いられています。

モーターコイルの絶縁補強を目的としたワニス含浸処理(がんしんしょり)という処置があり、モーターコイルをワニスを満たしたタンクに浸してコイル間の間隙に浸透させ、乾燥させて硬化させるものです。これにより湿気や埃の浸入を防ぐだけでなく、コイルの振動による擦れを防止して絶縁の劣化を防ぐ仕組みです。

ワニスは溶剤系ワニスと無溶剤系ワニスがあり、溶剤系ワニスには、セラックワニス、油性ワニス、アスファルト系ワニス、フェノール系ワニス、アルキド系ワニス、エポキシワニス、ジフェニルエーテル系ワニス、シリコンワニス、無溶剤系ワニスには、ポリエステルワニス、エポキシワニス、ウレタンワニス、シリコンワニス、ポリイミドワニスがあります。