ジオポリマー(geopolymer)とは、セメントコンクリートに代わるものとして近年注目が集まる素材である。フランスの科学者が1980年代にジオポリマーを提唱した。

従来のセメントコンクリートはセメントに骨材と水を加えて練り混ぜるが、ジオポリマーコンクリートはセメントに代わり新素材を使用して、骨材と水に混ぜる。比較的新しく開発された素材のため、粉末や溶液にさまざまなものが用いられている。配合や強度管理などはまだ確立されておらず、2020年代でも研究途上である。

ジオポリマーの最大の利点といえるのが、コンクリートの劣化を防げること。耐火性や耐酸性に優れた製品もある。さらに、セメントと比べて製造時に発生するCO2が少ないという利点もある。

ジオポリマーの課題となっているのが、いかにしてコストを削減するかである。現在はアルカリ溶液などを必要とするため、必然的に高コストとなる。高粘性のジオポリマーも製造できるが、その場合は充填や運搬などに工夫が必要である。

ジオポリマーコンクリートの製造は、従来のセメントコンクリートと工程上に特段に変わりはない。ただし、ジオポリマーコンクリートが硬化するまでに時間が掛かるため、セメントコンクリートよりも養生に時間を要する。よって、ジオポリマーコンクリートでは給熱養生が実施されている。