「函渠」(かんきょ)とは、箱型の水路を指す言葉である。「函」は「箱型」「四角形」、「渠」は「人工水路」「溝」という意味。
建築用語には「函渠」と似たものが多数ある。そのため、「函渠」と混同して使用される事例も見られる。

「管渠」も「かんきょ」と読み、「函渠」と同じように地中に埋設した水路を意味する。ただし、「管渠」は管状になっている水路のことで、上下水道なども「管渠」に含まれる。ゆえに箱型の「函渠」と機能は同じだが、形状は異なる。

「暗渠」(あんきょ)とは、外から見えなくなっている水路のこと。よって、「暗渠」と「函渠」の意味は厳密にいえば同じとはいえない。ただし、「函渠」は外から水路が見えない構造になっているため、「函渠」と「暗渠」が同じような意味で使われている傾向にある。
「ボックスカルバート」とは、地中に埋設される箱型のコンクリート構造物である。「ボックスカルバート」を「函渠」として利用するケースは多いが、「ボックスカルバート」はケーブルなどの埋設にも利用される。

函渠にする目的でボックスカルバートを埋設する場合は、原則として敷設基盤の低い方から高い方に向かって行わなければならない。埋設には通常敷設型や縦方向連結型などの工法がある。いずれの工法でも函渠の水密性を確保する必要があるため、継手部分の接合を入念に行わなければならない。