暗渠(あんきょ)とは、主に給排水を目的とする溝状の水路のうち、地下に埋設されていて普段は見えないもののこと。水路だけではなく、電力線や通信線、ガス管などが埋設されているものも暗渠と呼ぶ場合がある。反対に地上に出ているものを開渠(かいきょ)という。

都市部における暗渠(あんきょ)は、主に道路を横断させる目的で作られることが多い。また、元々は河川があった場所の上に遊歩道や緑道が作られ、結果として暗渠(あんきょ)となっている場合もある。その他、公園やスタジアムなどの水はけを良くする目的で埋設されている透水管も一種の暗渠(あんきょ)である。

農村部における暗渠(あんきょ)としては、農業用水路や速乾性が求められる農地の排水用として作られるものがある。また、山間部においては斜面の地滑り対策として排水用暗渠(あんきょ)を設ける場合もある。

海外においては、中東やアフリカ、乾燥している地域のアジアなどで、地下水の蒸発を防ぐ目的で地下に水路を設けることもある。水路が地表に出る場所には、耕地や集落のあるオアシスが形成されている。地域によって「カナート」「フォガラ」「カレーズ」など呼称は異なる。同じ目的の暗渠(あんきょ)は日本の京都、三重、東海地方などにも「マンボ」と呼ばれるものが存在し、「間風」、「間歩」、「万堀」などとつづられる。