チャンバーとは、空調ダクト用の空気室のことで、騒音を吸収したり、空気の混合や分岐などを目的として設けられる箱状の装置のことです。チャンバーボックスと呼ばれることもあります。通常は、人の目につかない場所に設置されているので、一般的にはあまりなじみのない製品です。床下チャンバー方式とは、OAフロア内をチャンバーボックスとして空調するものを指します。
通常、チャンバーボックスの材質は、鉄板やステンレス鋼などが使われます。また、空気の混合や分岐を行うため、複数のダクトが接続されることがあります。このときは、ダクト同士を接続するためのフランジが使用されます。フランジの形状や材質には、さまざまな種類がありますが、一般的には鉄板製のものが使用されます。
チャンバーボックス内には、グラスウールが内貼りされ、空気の乱れによる騒音を吸収することができます。内貼りによって、消音効果と保温断熱効果が得られます。チャンバーボックスは空気の乱れを低減させるためのものであり、制気口の前に設置されることが多いです。他にも、床置き直吹形の空調機の吹出口や、フレキシブルダクトの分岐部分などでも利用されています。そのため、グラスウールは建物内の騒音対策や、温度調整に役立つ素材として重要な役割を果たしています。
その他、チャンバーボックスのサイズについては、国土交通省の公共建築工事標準図によって様々な例が公開されています。例えば、ネック径が200Φ以下の場合、W400×D400×H250のサイズが適切であるとされています。一方、ネック径が200Φを超える場合、W500×D500×H300のサイズが推奨されています。もちろん、これらのサイズ以外を選ぶこともできますが、その場合は設計者が状況に応じて適切なサイズを選定する必要があります。