昨今、建設業界と他産業の生産性の格差は問題視されており、政府も改革の必要性を重く受け止め、i-Constructionの取り組みを通して生産性の向上と建設業界の環境改善を図っています。
今回はそんなi-Constructionのメリットや取り組みについて紹介していきます。
目次
i-Constructionとは
i-Construction(アイ・コンストラクション)とは、国土交通省が進める20個の生産性革命プロジェクトのうちの一つです。
生産性革命プロジェクトとは、労働者の減少を上回る生産性を向上させることで、経済成長の実現を図るプロジェクトであり、「社会ベース」の生産性を高めるプロジェクト、「産業別の生産性を高めるプロジェクト」、「未来型」投資・新技術で生産性を高めるプロジェクトの3つに大別されます。
i-Constructionはその中でも「産業別」の生産性を高めるプロジェクトに分類され、建設業における生産性向上を目指しています。国土交通省では、i-Constructionを推進することで、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までの全ての建設生産プロセスでICT等を活用し、建設現場の生産性を2025年度までに2割向上することを目指しています。
【参照】https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg2/280415/shiryou1-8.pdf
【参照】https://www.mlit.go.jp/common/001149595.pdf
i-Constructionの目的
i-Constructionと聞くと多くの人はICT化が目的の取り組みとイメージされますが、ICT化はあくまでも施策の一つであり、コンセプトは以下の3つです。
1.ICTの全面的な活用
2.規格の標準化
3.施工時期の標準化
上記の3つは「トップランナー施策」と呼ばれ、それぞれの意味は次の通りです。
1つ目の「ICTの全面的な活用」は、調査・測量・設計・施工・検査などの工程で、ICT技術の活用を目指しています。
具体的にはドローンやCIMなどを活用した3次元測量、3次元データ設計図、ICT建機による施工の実行です。
2つ目の「規格の標準化」は、建設生産プロセスで全体最適を導入し、サプライチェーン全体の生産性向上を目指すものです。
例えば、鉄筋のプレハブ化や定型部材を組み合わせた施工などが行われています。
最後に「施工時期の標準化」です。建設業界は年間で公共工事の仕事量にムラがあり、4~6月は少なく、11~3月にかけて忙しくなります。
したがって、この目的は適切な工期を確保できるように、国債を発行して発注者に計画的な業務遂行を促すことです。
i-Constructionは上記のことを行うために提唱された経緯があります。
i-Constructionのメリット
それでは実際にi-Constructionを取り入れることでどういったメリットを得られるのでしょうか。
ここではi-Construction推進に取り組むメリットについて紹介します。
生産性の向上
ICTの現場導入により業務効率化ができるため、生産性の向上につながります。
生産性の向上とは、投資する経営資源を少なくして成果を維持する、または投資する経営資源を維持した状態でより多くの成果を上げることです。
つまり、生産性の向上を実現することで現場の作業スピードを上げたり、少ない作業員で現場を進めたりしていけるようになります。
「きつい・危険・汚い」のイメージ払拭
建設現場はよく「きつい・危険・汚い」というイメージを持たれることがあり、これらは「3K」と呼ばれます。
きついとは、勤務時間が長かったり、休みが少なかったり、給料が低いなど雇用条件が厳しいことを指しています。
また、危険なイメージの理由とされるのは、建設現場での高所作業や重機を使用しての作業などです。
最後に、現場仕事は汚れることが多くあるため、これらをまとめて「3K」と呼んでイメージを悪くしている原因にもなっています。
i-Constructionによって業務効率化を図ることで、建設業界全体のイメージアップができるでしょう。
人手不足の解消
前述している通り、i-Constructionの推進により建設業界全体のイメージアップと環境の改善が進められていきます。
イメージが改善されることで建設業界で働きたいと考える若者が増えてくるため、人手不足を解消するきっかけの一つとなるでしょう。
さらに、業務効率化・生産性の向上が実現すれば、作業に必要な人員を削減でき、少人数での作業が可能となります。
i-Constructionの推進は、建築業界が抱えている問題の改善にもつながります。
安全性の向上
建設現場は高所作業や重機の活用、資材の運搬など危険を伴う作業がありますが、i-Constructionを推進することで安全性の向上を図れます。
例えば、測量の際にドローンを用いることで、実際に人が作業をすることが少なくなるため、人的被害を最小限に抑えられるでしょう。
また、施工面でもICT建機を利用するという選択肢も増えるため、今まで行ってきた危険な作業を行わなくて済むようになります。
過去のi-Construction受賞企業
ここでは、実際にi-Constructionを受賞した企業の中でも、令和2年度に国土交通大臣賞を受賞した例を挙げたいと思います。
三井住友建設株式会社
《取組概要》
鉄筋配置・結束作業をロボットアームを用いて自動で行う、鉄筋組立自動化システム「Robotaras(ロボタラス)」を開発した。本システムは、ロボットアームの先端に鉄筋を配置する「鉄筋保持治具」および「鉄筋結束機」を装着し、これらを連動させることで
鉄筋組立作業を自動で行うシステムである。作業員は供給機への鉄筋の補充や鉄筋結束機へのワイヤの充填作業が主な作業であるため、配置人員は実質2名でよく、延作業人数は従来と比較して大幅に削減でき、生産性向上を図ることが可能となった。
北海道岩見沢農業高等学校
《取組概要》
労働力不足が心配されている空知の土木業界の未来のためICT施工の全面実用化を目的に研究を行った。排水性が悪い本高校の畑2,000㎡の地盤改良を実施し、ICT施工と従来施工の人員や時間を比較検証した。また、生徒自らがドローンを飛ばせるよう飛行訓練を行い、飛行許可を取得した。さらに、空知建設業協会の協力により、最先端のICT重
機での施工比較も行った。
株式会社助太刀
週刊助太刀の運営会社である株式会社助太刀も、令和2年度のi-Constructionで国土交通大臣賞を受賞しています。
《取組概要》
「助太刀」では、76職種、居住地に基づく最適なリコメンド機能により今まで出会うのが難しかった、職人や工事会社をマッチングさせている。正社員の求人の際には求人サービス「助太刀社員」を使えば、アプリ「助太刀」を使っている14万超の職人・施工管理に向けて求人の掲載が可能である。
【参照】国土交通省
株式会社助太刀 HP
まとめ
今回紹介してきたi-Constructionは、建築業界全体を改善するための取り組みということが分かりました。
こういった事例をもとに、御社でも業務の効率化を試みてはいかがでしょうか。
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