TOP おしごと 建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?技能者・事業者のメリット、料金、登録方法などを解説

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?技能者・事業者のメリット、料金、登録方法などを解説

2022年1月6日更新

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建設業界では少子高齢化に伴い、技能者の人手不足が顕著となっています。
技能者の能力に応じた適切な待遇を受けられないことが多く、若手技能者の離職率がほかの産業より高いのが現状です。
そこで現在注目されているのが「建設キャリアアップシステム」です。
建設キャリアアップシステムとは、建設業に携わる技能者のスキルや経歴を管理する仕組みのことです。
技能者の適正な評価や事業者の業務効率化を目的として運用が開始され、建設業界に大きな変化をもたらすことが期待されています。

この記事を読むことで、、建設キャリアアップシステムの概要が分かるとともに、技能者と事業者両方のメリット、登録料金、登録方法を理解することができます。建設キャリアアップシステムについて知りたい方はぜひ最後まで読んでみてください。

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?

建設キャリアアップシステムとは、建設業における技能者のスキルや経歴を適正に評価する仕組みです。国土交通省が主体となって2019年4月から始まったシステムで、技能者の就業経験や保有資格、社会保険の加入状況などのデータをシステムに蓄積し、技能者の適正な評価や建設事業者の負担を軽減することが目的となっています。

建設キャリアアップシステムのメリット

技能者のメリットは以下が考えられます。

・適切な評価や待遇を受けられる

建設キャリアアップシステムは、技能者が自身の能力に対する正当な評価を受けられる点がメリットです。個人カードに技能者の保有資格や経歴、マネジメント能力などがデータとして蓄積されるため、技能者ごとに統一した評価が可能となります。

また、個人カードは技能者のスキルや能力に応じて4つのレベルで分けられています。技能者は自身のレベルを用いて保有しているスキルをアピールできるようになるほか、レベルによる待遇・評価システムの導入も検討されています。

・自身のキャリアを可視化できる

建設キャリアアップシステムは、自身のキャリアを可視化するのに役立ちます。個人カードに保管された情報を閲覧し、これまでの就業実績やどのような資格を持っているのかを確認できます。

個人カードの情報をもとに、今後のキャリアアップをイメージすることも可能です。最終的にどのレベルまで到達することを目標として定め、目指すべきキャリアの方向性を明確にします。

・建設業退職金を受け取れる

建設業界では、建設業退職金共済制度の証紙の発行と貼付作業に難点があり、これまで技能者の退職金が適切に支払われなかったという問題がありました。しかし建設キャリアアップシステムを活用すると、技能者の就業実績がカードで管理されるため、退職金がスムーズに支払われるようになります。

事業者のメリットは以下が考えられます。

・ニーズに適した技能者を採用できる

建設キャリアアップシステムを活用することで、自社のニーズに適した技能者を採用できます。個人カードには、技能者がこれまでに関わった業務や保有資格が掲載されているため、自社が必要とする技能者をピンポイントで探し出せます。

また、客観的に評価していることをアピールすることで、求職中の技能者に一定の信頼を与えることもできます。技能者から見て優良な事業者というイメージを持ってもらうことができれば、優秀な人材が集まりやすくなります。

・業務の負担軽減につながる

これまでは技能者のデータを一つひとつ確認しなければならなかったため、現場での管理に負担が発生していました。一方で建設キャリアアップシステムでは技能者の社会保険加入状況を含む個人データが全て保管されているため、業務の負担を軽減できます。

さらに建設現場の入退場履歴も記録され、就業時間やコンプライアンスを管理することも可能です。技能者のメリットでも解説した通り、退職金の管理も容易になることから、事務作業を効率的に進められます。

・元請けから受注拡大を期待できる

自社で優秀な技能者を揃えていることをアピールすることで、元請け企業からの受注拡大にも期待できます。建設キャリアアップシステムの個人カードは、技能者の能力に応じて色でレベルが分類されており、客観的な指標として用いられます。一人親方として活動している場合でも、自身の能力を正当に評価してもらい、仕事の幅を広げることが可能です。技能の習熟度や経験を具体的に明示し、元請け企業へのアピールに利用できます。

建設キャリアアップシステムの利用料金

建設キャリアアップシステムを登録するためには、利用料金を支払う必要があります。技能者と事業者で利用料金が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

技能者の登録料金

技能者の場合、個人の情報を記録するキャリアアップカードの発行に料金がかかります。

2021年4月からは本人情報や社会保険加入状況といった必須項目のみを記録した簡易型と、保有資格、健康診断の受診履歴、表彰などさまざまな情報を記録した詳細型の2種類が提供されています。

簡易型についてはインターネットからの申請のみで2,500円、詳細型のキャリアアップカードはインターネットもしくは認定登録機関からの申請が可能で4,900円となっています。

なお、はじめに簡易型で登録した後に、詳細型に変更する場合は別途2,400円が必要となります。

申請方法 登録料(税込)
インターネット 簡略型:2,500円 / 詳細型:4,900円
認定登録機関 詳細型:4,900円
※認定登録機関では簡略型の案内はありません。

参考:建設キャリアアップシステム

 

事業者の登録料金事業者側での利用料金は、「登録料金」「管理者ID利用料」「現場利用料」の3つが必要なため確認しておきましょう

まず、登録料金については企業の資本金によって変わります。500万円未満であれば6,000円、500万円以上1,000万円位未満であれば12,000円といった形で、資本金に応じて登録料金も増えていきます。一人親方の場合は登録料がかかりません。事業者での登録は5年更新制となっており、更新ごとに登録料金の支払いが必要になります。

資本金 登録料(税込)
一人親方 0円
500万円未満(個人事業主含む) 6,000円
500万円以上1,000万円未満 12,000円
1,000万円以上2,000万円未満 24,000円
2,000万円以上5,000万円未満満 48,000円
5,000万円以上1億円未満 60,000円
1億円以上3億円未満 120,000円
3億円以上10億円未満 240,000円
10億円以上50億円未満 480,000円
50億円以上100億円未満 600,000円
100億円以上500億円未満 1,200,000円
500億円以上 2,400,000円

参考:建設キャリアアップシステム

次に、管理者ID利用料は事業者情報と現場情報を管理するために必要な料金で、1年に1回支払います。1つのIDごとに11,400円(税込)、1人親方は1IDごとに2,400円(税込)となっています。

最後に、現場利用料です。技能者が現場に1日入場するごとに、1人あたり10円現場利用料が発生します。たとえば、20人の技能者が10日間現場入りした場合は以下のようになります。

20人 × 10日間 × 10円 = 2,000円

建設キャリアアップシステムの登録方法

建設キャリアアップシステムの登録方法についても確認しましょう。料金同様に、技能者と事業者で登録方法や、必要書類が異なるため注意が必要です。

技能者の登録方法

1. インターネット申請か認定登録機関窓口申請のいずれかの方法で申請を行います。
2. 申請フォームに従い、本人情報、所属先、社会保険の加入状況、保有資格などを記入していきます。入力した情報を証明するために、本人確認書類、顔写真、社会保険加入の確認書類、保有資格の証明書類を準備する必要があります。
3. 全ての入力が済んだ後に、クレジットカードまたは銀行振込で決済すると登録が完了します。

 

 

事業者の登録方法

1. 技能者同様、インターネット申請もしくは認定登録機関窓口申請のいずれかの方法で申請を行います。
2. 申請フォームに、事業者情報、業種、責任者、社会保険の加入状況などを入力し、それぞれを証明する書類を提出します。
3. クレジットカードでの決済と銀行振込の2種類から選択できます。支払いを済ませると、登録したメールアドレスに事業者用のID送られます。

 

 

まとめ

建設キャリアアップシステムは、技能者の能力が可視化されるため、事業者にとっては自社のニーズに適した人材や優秀な人材を確保するのに便利です。また、技能者にとっても、自身の強みをアピールすることができるほか、能力に応じた適正な待遇を受けられるようになります。個々の技能者の適正な評価や、建設業の人手不足が課題となっている今、建設キャリアアップシステムは今後大きな役割を担っていくと考えられています。

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