取水塔とは、取水施設の一つであり、河川や湖沼、貯水池から地表水を水源として取り入れ、各種の導水施設に水を供給する設備です。

取水塔は、2m以上の水深を有して水位変化が大きい場所に設置されます。

固定式と可動式があり、固定式では井筒沈下工法が一般的で岸から取水塔までの管理橋が設置されます。可動式は水深が深く固定が困難な場合に用いられ、取水口が上下に浮動することで取水できる仕組みです。

水温の高い表面水を取水して水稲用水としたり、海底付近から低温の海水を取水して臨海工場の冷却用水とするなどの工夫がされています。

選択取水設備と呼ばれる取水塔もあり、大小のシリンダーゲートにより、水道水用とその他の水(灌漑用水、工業用水、発電用水)を適した水深から取水することができます。

取水施設の建設にあたっては、最大渇水量(水位)、最大洪水量(水位)、渇水量(水位)、平水量(水位)、洪水量(水位)、水質などの水源の特性、さらに、既得水利権、漁業権、水源流域の汚染源、各種開発状況に伴う流入土砂、安全性などについて検討が必要です。

取水塔は、河川や貯水池の中において突出して目立つ存在であるため、景観に配慮したデザインが施されることがあります。