戸境壁は、マンションやアパートなどの集合住宅において、隣の住戸との境を仕切る壁のことを指します。防火の観点から、「耐火構造」、「準耐火構造」、「防火構造」のいずれかにしなければいけません。さらに、壁が天井裏まで達していなければいけないことが建築基準法で規定されています。戸境壁は防音上でもとても重要だと言われており、鉄筋コンクリートの厚さと戸境壁の仕上げ方法が遮音性に大きく影響を与えます。法の規定は特にありませんが、生活音を遮断するためには少なくともコンクリートの厚さが180mm以上必要です。
また、大きく2種類にわけられます。1つ目は、「クロス直貼り」です。コンクリート壁に直接クロスを貼ります。2つ目は、「二重壁」です。コンクリート壁に木軸などを組んで、その上にボードを貼ってクロスを貼ります。鉄筋コンクリートマンションの場合、多くはクロス直貼りです。二重壁については、コンクリートを平らにならす手間と費用が抑えられるとして一時期よく使用された工法です。ただ、コンクリートとボードの空間で音が増幅してしまうことがわかり、防音性能が低くなってしまうことが判明しました。そのため、現在は吸音材を入れるなどの工夫がほどこされています。