ずいけいは「随契」と書き、「随意契約」の略称です。3種類ある契約方式のひとつです。入札や見積もり合わせをおこなうことなく、特定の施工業者と請負契約を結びます。設計者や施工者を決定するために入札をおこなうのは、手続きの煩雑さから時間がかかります。さらに、入札で選ばれた業者が発注者の意図をよく知っているとは限りません。仮に見積もり合わせにしたとしても、絶対に公平に実施されるとは言い切れません。そのため、古くから随意契約は重宝されてきました。しかし、互いによく知っている関係を保てた昔とは異なり、近年では互いに知るところが少なくなりました。加えて、形式的な公平を問われることも増えて、随意契約は以前よりも少なくなっています。なかでも、公共工事に関しては顕著です。内容が不透明になるといった批判が多くなったのが原因です。

また、随意契約には、確実に契約を締結できるというメリットがあります。一方で、そもそも対象企業として選ばれることが困難であるというデメリットも存在します。対象企業は、今までに受注した実績のある企業が選ばれやすいため、実績が必要です。

そのほか、契約方式には、多くの企業が参加して最も良い条件を出した企業が受注できる「一般競争契約」があります。