建築工事の依頼を受ける際は、請負契約を締結します。新築、改築、改装、解体など多くの工事がすべて請負契約です。請負契約とは、請負人が仕事の完成を約束する契約です。依頼者は希望する仕事の完成に対して報酬を払います。そのため、受けた仕事を完成させない限り報酬を請求できません。

また、受けた仕事の期日も重要です。期日までに完成できないと、依頼者は債務不履行解除ができます。完成しても希望に添っていない、瑕疵があると不完全な状態となります。その時、依頼者は修繕要求や損害賠償の請求も可能です。工事の請負をしたら、信頼に応えて完成させることが必要です。

建設業法では、請負契約の適正化目的の規定が設けられています。中央建設業審議会では、標準請負契約約款を用意しています。種類は大きく3つに分かれているので注意しましょう。

公共工事の請負時には、公共工事標準請負契約約款を用います。民間工事は、民間建設工事標準請負契約約款(甲・乙)です。下請工事用として、建設工事標準下請契約約款もあります。公共工事標準請負契約約款はインフラ常時建設工事でも使います。電力、ガス、鉄道、電気通信等の常時建設工事を発注時です。

中央建設業審議会では、標準約款の利用を勧告しています。それは、互いの権利や義務を守るためです。仕事の完成に対して成果報酬を払うのが、請負契約です。そのため、契約内容の明確化が大切です。